1店舗当たり売上高が10年間でほぼ倍増
米国ホームセンター(HC)の最大手であるホームデポ(The Home Depot)の好業績が続いている。直近2021年度(22年1月期)の第1四半期売上高は375億ドルとなり、対前年同期比約33%増と急伸している。20年度通期の売上高は創業以来最高となる1321億ドルで、対前期比で約20%(約220億ドル)の売上増を記録していた(図表❶)。ホームデポが200億ドルの売上規模を達成するのに創業から19年かかった点を踏まえると、いかに直近の成長が著しいかがわかる。コロナ禍において米国でDIY(Do It Yourself)需要が拡大していることも背景にあるが、それ以上に注目するべきは、ホームデポが力を入れるオムニチャネル戦略と、プロ顧客の囲い込みに向けた独自のビジネスモデルだ。これらがどのように同社の競争優位につながっているのか見ていこう。
ホームデポが特徴的なのは、店舗数を増やすのではなく1店舗当たり売上高を拡大するかたちで成長を遂げてきた点だ。実際、直近の20年度の店舗数は2296店で、10年度の2248店と大きく変わらない一方、1店舗当たり売上高はほぼ倍増しており(10年度:約3000万ドル、20年度:約5800万ドル)、結果として全社売上高も約2倍に成長している(図表❷)。その背景の1つにあるのが
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。