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D2CとEC強化で、コロナ禍で新たな成長めざすストライプインターナショナルの戦略とは?

「ライフスタイル&テクノロジー」を標榜し、「アース ミュージック&エコロジー(earth music&ecology)」をはじめとしたアパレル事業を主力に、ファッションレンタルサービス、ホテル・飲食事業などを展開するストライプインターナショナル(東京都)。堅調に業績を伸ばしてきた同社だが、2020年はコロナ禍により事業環境が一変、中国から撤退を決めるなど難しい経営を迫られている。20年3月に社長就任した立花隆央氏に今後の成長戦略を聞く。

「QR」導入で生産体制を強化!

──国内のアパレル業界を取り巻く現在の事業環境をどのように見ていますか。

たちばな・たかひろ●1971年11月8日生まれ、東京都出身。1992年3月東京デザイナー学院卒業後、株式会社ワールドワイドラブなどを経て2002年クロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)入社。05年に取締役に就任し生産を担当、常務取締役営業本部長を経て、14年に専務兼COO営業統括本部長。15年明治大学グローバル・ビジネス研究科卒業。15年からキャン社長も兼任(20年4月会長就任)。20年3月より現職。

立花 コロナ禍では、都市近郊の商業施設、百貨店、駅ビルが苦戦する一方、都市部から離れたエリアはそれほど影響を受けずに好調を維持している店舗もあり、明暗が分かれています。

 少子高齢化もアパレルにとって大きな課題です。そうした時代における、衣服の変化を表わすキーワードとして「エイジレス」があげられます。年齢・世代を問わないアパレル商品の需要は今後も伸びると見ています。

 アパレル業界は、シンプルでスタンダードな低価格帯の商品を幅広くラインアップする大手企業と、コレクションブランドやデザイナーズブランドのように差別化されたこだわりのある高価格帯の商品を展開する小規模なブランドとで、二極化がすすんでいます。そうしたなか、当社では「アース ミュージック&エコロジー」や「アメリカンホリック(AMERICAN HOLIC)」など低価格帯のブランドを主力としながら、「メゾンキツネ(MAISON KITSUNÉ)」のような高価格帯のコレクションブランドも展開しています。

──21年1月期の業績についてどのように振り返りますか。

立花 21年1月期は、コロナ禍の影響を受けた激動の1年でした。中国市場から撤退したほか、不採算店舗の退店を加速させ、不採算事業の整理をすすめました。また、販管費を費目ごとに見直してその低減を図り、利益の確保につとめました。

 コロナ禍では、従来の計画生産から移行し、シーズン中の売上動向に連動して迅速に商品を生産する「QR(クイックレスポンス)」の生産体制を強化しました。この取り組みにより、現在、商品は概ね2週間から1カ月程度で納品されています。

 アパレル業界では、コロナ禍でECへの需要が高まっていますが、当社の21年1月期におけるEC売上高構成比は

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