住友商事(東京都/兵頭誠之社長)傘下のサミット(東京都/服部哲也社長)は、3月24日に改装オープンした食品スーパー(SM)「サミットストア鳩ヶ谷駅前店」(埼玉県川口市:以下、鳩ヶ谷駅前店)に「健康コミュニティコーナー」を導入した。健康ニーズが高まるなか、同じ住友商事傘下でドラッグストア(DgS)を展開するトモズ(東京都/德廣英之社長)と連携し、顧客の健康測定値をもとに商品やレシピを紹介するという、一歩進んだ健康提案に挑戦している。
卸3社のプロジェクトをSMとDgS店頭で実施
「健康コミュニティコーナー」、略称「けんコミ」が設置されたのは、鳩ヶ谷駅前店の出入口から入ってすぐの来店客から最も目にとまりやすい場所だ。以前は同社の衣料専門店「コルモピア」を展開していたが、改装を機にDgSの「トモズ鳩ヶ谷駅前店」を導入。同店に併設するかたちでサミットとトモズが共同で運営する「けんコミ」コーナーを設置した。約23㎡ほどのスペースに来店客が無料で利用できる健康測定器を設置し、その結果をもとに食生活のアドバイスや、トモズ・サミットの商品の提案などを行う。
同コーナーは、食品卸の国分グループ本社(東京都/國分晃社長)、医療用医薬品卸の東邦薬品(東京都/馬田明社長)、一般用医薬品卸企業などを傘下に持つ大木ヘルスケアホールディングス(東京都/松井秀正社長)の卸企業3社が、2007年から業務提携を結び推進している「サンフラワープロジェクト」の一環として開発されたものだ。
同プロジェクトでは、健康ニーズが拡大するなか、「食を通じて生活者に健康で豊かな暮らしを提供する」をテーマに、売場や情報提供の場の創出を推し進めてきた。すでにこれまでにも小売店店頭において、けんコミ同様のコーナーの設置などを行ってきたが、今回のように常設での取り組みは初となる。
きっかけは20年夏頃、国分グループ本社の國分晃社長と、サミットの竹野浩樹会長、服部哲也社長が情報交換をした際に同プロジェクトの話があがったことだった。プロジェクトとサミットの店づくりのビジョンが合致し、まずはタイミングよく「トモズ」導入が決定し、かつ商圏内に比較的高齢者が多く需要が見込めそうな鳩ヶ谷駅前店に同コーナーを設置したかたちだ。
サミットは現在、2022年度までの3カ年中期経営計画「G OGREEN2022」を推進している。そのなかで掲げるのが「新しいSMの創造」だ。単に売上を追求するのではなく、SM事業を通じて社会貢献も同時に果たすことで、地域で必要とされる存在になることをめざしている。「けんコミ」はこの新中計を具現化する取り組みの1つであり、「食と健康」をテーマに、SMとDgSの垣根を超えた新しいコミュニティの場を提供することで、地域貢献を図る。服部社長は「同コーナーの設置は、お客さまにサミットがめざす店づくりのビジョンを知っていただくことにもつながる」と期待を寄せる。
部門横断型の体制と接客で提案力を高める
では、「けんコミ」では具体的にどのようなサービスを提供しているのか。
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