ファミリーマート(東京都/細見研介社長)が3月に発売した「クリスピーチキン」は、わずか3日後に販売好調で品切れとなった。このヒットは同社にとり久しぶりの明るいニュースだろう。「クリスピーチキン」のテレビCMをみて「マクドナルド」を連想した人もいるだろう。それもそのはず、昨年10月から同社CMO(チーフマーケティングオフィサー)は、マクドナルド復活を担った足立光氏が務める。足立氏をよく知るマーケッターに匿名を条件に、推測を含め解説してもらった。
ファミリーマートに真のマーケティング視点導入
コロナ禍以前の数年間、コンビニエンスストア(CVS)大手3社のなかで、統合にエネルギーを費やしたファミリーマートは、業界の成長に取り残され気味であった。澤田貴司社長(当時、現副会長)が、「逆転のためには真のマーケティング視点を導入する必要性がある」として足立氏を招聘した模様だ。
実は澤田氏は19年12月、あるマーケティングのイベントで足立氏と対談している。足立氏はそこで、「(セブン-イレブンと戦うためにファミリーマートが採る)施策の9割はインナー(FC店舗)向けで顧客向けは1割。本当にセブン-イレブンに勝つつもりがあるのか?」や、「(澤田社長の言うような)流通限定商品は他社もやっているのでそれで差別化になるのか?」などと挑戦的に投げかけたうえで、澤田社長の返答をかみ砕いて解説していた。その時に、澤田氏は
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