フレンドフーズ
京都府・下鴨の地で営業し、府内外から多くのお客がわざわざ足を運ぶ食品スーパー(SM)があるのをご存じだろうか。1977年創業のフレンドフーズ(京都府/藤田俊社長)が運営する「フレンドフーズ」だ。同店は長年かけて築き上げてきたバイヤーの目利き力、全国の仕入れネットワークを生かして実現する独自の品揃えを武器に、新体制のもと商品価値の発信にも力を入れることで、若い世代の獲得に成功している。
IT企業の社長が老舗SMを改革
「フレンドフーズ」は、京都市営地下鉄烏丸線「北山」駅から南東約500mの場所にある。売場面積は約120坪とコンパクトなサイズでありながら、約3万品目にも及ぶ商品を揃える。これらはバイヤーが全国各地から仕入れる選りすぐりの商品で、ナショナルブランドはほとんど扱っていない。ほかにはない質の高い商品を求めて、わざわざ各地からファンが訪れる。
この特徴ある商品政策の礎を築いたのは2代目社長の故・藤田勝氏である。強い指導力の持ち主だったが、逝去を受け2018年に息子である俊氏が家業を引き継いだ。社長就任当時、先代の闘病生活の間に経営状況は悪化しており、かつそれまでは自身で起業したIT企業を経営していたため、SMは未知の業界だった。
藤田社長が最初に着手したのは、自社の「使命」「価値」「行動」の指針をつくることだ。従来は先代が自らのリーダーシップで示し、導いていたところがあり、明文化されていなかった。そこで「体に悪くないほんまもんだけを世の中に発信します」「自分の子供に食べさせたくないものは扱いません」など自社の根幹にあるコンセプトを洗い出し、組織全体で共有した。
もう1つ藤田社長が始めたのが
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