「強い店」をつくるためには、競合店調査も不可欠だ。食品スーパー(SM)に携わる人であれば、誰もが経験したことのある業務だろう。ただ、調査方法が体系的になっていなかったり、取得した情報をどうアウトプットすればよいか悩む人も少なくないかもしれない。月商5億円をたたき出す大型店舗の現役店長が、自身の虎の巻を公開する。
プロの提言!
▶下調べは入念に。売場の風景を予想しておく
▶売場調査は「一等地」「大陳」「レジ」に着目せよ
▶持ち帰った情報はすぐに店全体で共有し改善に向けて実行する
競合店の立地をもとに「使われ方」の仮説を立てる
はじめまして。10年以上にわたって某大手SMの店長を務めています、「山田店長」(仮名)と申します。どの小売業界でもそうですが、私の働くSM業界も群雄割拠の時代が到来しています。そんななか、生き残っていくために最も必要となるのが、「敵を知り、己を知る」ということです。多様化するお客さまのニーズはもちろん、競合店を熟知することも非常に重要です。
では、具体的に何をすればいいのか?答えはシンプル、「競合店に視察に行き、自店の店舗運営に生かす」ということです。本稿では実際に、店長の私が部門担当者に、競合店視察の際に伝えているチェックポイントをご紹介していきます。ぜひ参考にしていただき、自店の店舗運営に生かしてください。
まずは準備編です。当然ですが、視察に行く際には事前準備をしてから行きましょう。事前に調べておくべき内容は「営業時間」「自店からの距離」「地理(駅・国道からの距離など)」です。とくに立地はよく調べておきましょう。駅から近ければ徒歩や自転車、幹線道路沿いであればクルマでの来店が多くなります。それぞれでお客さまの買物の仕方は変わってきますので、当然、店舗の品揃えも変わってきます。自店との競合度合いを測るうえでも、把握が必要です。
売場に入る前に行うべきチェックポイント
視察する店が決まったら、次にやるべきことは大きく3つ。まずは①視察日の曜日・時間・天候の確認です。
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。