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リアル店舗が生き残るために店長が注力すべき3つの取り組み

こんにちは、成田直人です。新型コロナウイルスの感染拡大により、世界はそれ以前とはまったく異なったものになりました。オフラインの多くはオンラインに移行し、今後5Gが普及すればその傾向はますます加速していくことでしょう。そうしたなか、リアル店舗はどのように生き残ればよいのでしょうか。今回は店長が取り組むべき3つのことにフォーカスして解説します。

JGalione/istock

店長自身の心を常に穏やかに保つ

 1つめは、店長自身が穏やかな心で仕事に臨むことです。売上不振になると、多くの店長が不安・不機嫌になります。ここ数カ月の当社のクライアントとの面談では、売上が厳しい店舗の店長は皆、気分が落ちて口数少なく「お客さんが来ない…」「コロナ対策しているのに…」と自暴自棄になっています。

 この影響を最も受けるのはスタッフです。一緒に働く従業員は、店長の機嫌によって仕事のモチベーションが左右されてしまいます。だからこそ、店長はどんな状況下にあったとしても穏やかな心で仕事に臨むことが重要です。

 現に当社のクライアントを見ても、繁盛店では店長がスタッフに「大丈夫!」と安心させるような言葉を投げかけています。本人にその根拠を聞くと、当然ながらリスクヘッジ策を持ち合わせているほか、「自分自身が不安になれば必ずスタッフも不安になるため、自分自身が成長して不安に対峙できるだけのアイデアを練る毎日だ」とのこと。これだけ社会情勢が変わっても揺るがない自信を構築するには、己の鍛錬が重要なのだと痛感しました。

「グーグルマイビジネス」で高評価・投稿件数が多い店をベンチマークする

 2つめは、口コミで高評価が多い店舗をベンチマークすることです。今後の集客では、チラシやネット広告ではなく口コミが中心となります。この連載で何度か紹介している「グーグルマイビジネス」はまさにその筆頭です。ぜひお休みのときにでも、近隣で高評価かつ投稿件数が多い店に足を運んでみてください。

 当社クライアントもそうですが、たった1年で投稿が1000件を超える店は「グーグルマイビジネス」の運用に力を入れています。競合店の投稿数が100件未満で、当社クライアントが1000件であれば、どちらが選ばれるかは明白です。どのように顧客に店内で「口コミ書こうかな」と思わせているのか。実績のある店に足を運び、確認してみてください。それを参考に、自店の高評価・投稿件数アップにつなげていきましょう。

顧客の潜在ニーズを引き出し、来店頻度を高める

 3つめは、来店頻度の向上です。今後店舗ビジネスの集客は、間違いなく人口減の影響を受けます。この状況下で成長するためには、来店頻度を高め、より多くの商品を購入してもらうことが重要です。

 来店頻度を高めるためには、顧客に「感動」を与えなければなりません。「家の近くにある」など、従来の立地面の優位性は役に立たなくなります。すでにECやネットスーパーが普及しており、リアル店舗は利便性においてオンラインに勝てません。

 オンラインとの差別化を図るには、その店舗と出会ったことで「想定外の日常を手に入れることができた!」という感動を顧客に与えることが必要です。そこで私は「顧客の欲しいものだけを売るな!」と常にクライアントに指導しています。より高額な商品、より多くの商品を購入してもらうには、顧客の潜在ニーズを引き出し、感動をつくることが重要です。

 あなたの店でも、顧客の購入点数が増えるように、従業員に商品知識の教育やセールスのロールプレイング、POPの作成講座などを実施しましょう。この取り組みは顧客の感動を生み出し、来店頻度向上につながります。消費者は「あそこにいけば新しい何かに出会える」という店を探しています。ありきたりな店で終わらないようにしましょう。

 コロナ禍では今回紹介した3つの取り組みを念頭に置きながら、繁盛店をつくっていきましょう。反響があれば、そのほかの重要な取り組みを紹介していきます。

 

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。