直営の生鮮売場を全店で導入し、新型コロナウイルス(コロナ)禍での需要増も手伝って食品を筆頭に売上を伸ばし続けるGenky DrugStores(福井県/藤永賢一社長:以下、ゲンキー)。最新の店づくり、売場づくりの中身を探るため、同社が実証実験の場として戦略的に位置づける福井県内の店舗を訪れた。
コロナ禍で生鮮の売上が急増
ゲンキーが現在、主力フォーマットとしているのは、売場レイアウトを統一した売場面積300坪タイプのDgS。2015年2月から出店を開始し、急速に店舗網を拡大している。
ゲンキーの店舗の最たる特徴は、食品の品揃えが充実している点だ。17年6月からは従来取り扱っていた加工食品、日配、菓子などに加え、青果や精肉といった生鮮食品を導入。昨年には生鮮のプロセスセンター(PC)を稼働させたほか、高まる節約志向に対応するためEDLP(エブリデー・ロープライス)政策をスタートして集客力をいっそう強めている。
一連の施策により食品の売上高構成比は年々高まっており、20年6月期末は62.2%(対前期比1ポイント増)となった。この比率は、国内のDgS企業では最も高い水準にあるとみられる。なお、総売場面積に占める食品売場のスペース比率は約40%にも上る。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、食品をはじめとする生活必需品の需要が増加。それに伴い業績も急伸している。既存店ベースの直近の売上実績は対前年同月比で約20%増、なかでも青果・精肉は同30~50%増で推移するなど、生鮮を中心に食品の売上増が顕著だ。近隣にある食品スーパー(SM)にとっては大きな脅威だろう。
生鮮の陳列量も増え売場の光景は“ほぼSM”
福井市中心部から直線距離で北東へおよそ7km、ゲンキーの本部からはクルマで10分ほどの距離にある「ゲンキー松岡店」(福井県永平寺町)。本部から近いことに加え、主要ターゲットとする30~40代の利用が多いことから、現在ゲンキーが店づくりや売場づくりの実証実験の場として位置づける店舗だ。同店から、ゲンキーの最新の店舗施策を見ていこう。
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