地盤とする福島を飛び出し、茨城をはじめ利根川以北の北関東で勢力を拡大するヨークベニマル。同社店舗網の最南端にある「ヨークベニマル取手戸頭店」(茨城県取手市:以下、YB取手戸頭店)は、ヨークベニマルと並んで有力食品スーパー(SM)と名高いヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)と至近で競合する店舗だ。ヨークベニマルの南下政策の“最前線”では、どのような店づくりが行われているのか──。(調査日:10月28日) ※本文中の価格はすべて本体価格
売場印象
その距離わずか100m!有力チェーンが正面勝負
YB取手戸頭店は関東鉄道常総線「戸頭」駅から南西に1.2kmほどの住宅街にある。「イオン取手店」(2015年閉店)の跡地を再開発して開業したショッピングセンター(SC)「ヨークタウン取手」の核テナントとなる店舗で、2019年7月にオープンした。売場面積は748坪と、600坪を標準とする同社にとってはやや大型の店舗となる。
同店のある取手市は茨城県の最南部に位置し、利根川を挟んで千葉県の柏市、我孫子市と接する。ベッドタウンとして発展してきた経緯を持ち、総人口は約10万6000人。YB取手戸頭店は、取手市と千葉県柏市を結ぶ「新大利根橋」の北側、交通量の多い幹線道路が交わる交差点にある。
注目すべきは競合状況だ。YB取手戸頭店の道路を挟んだ向かい、「ホーマック」「ケーズデンキ」などが入る大型SC内には「ヤオコー取手戸頭店」が店を構える。Y B取手戸頭店とは直線距離で約100mしか離れていない場所にあり、これほどの距離で両社が競合するのは初めてのことだ。
両チェーンの店舗展開の状況を見ると、ヨークベニマルは茨城県内に42店舗、ヤオコーは6店舗をそれぞれ展開している。だが、ヨークベニマルはYB取手戸頭店が取手市初出店であったのに対し、ヤオコーは取手市に3店舗をすでに展開しており、チェーンとしての知名度や地域シェアはヤオコーのほうが高いとみていいだろう。
競合ではなく共存ハイレベルな“大人の戦い”
10月下旬、両チェーンの競合関係を調査するため、店舗に足を運んでみた。ヨークベニマル
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