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元在インド日本大使館料理長が商品部長!利恵産業の総菜がスーパーで大人気の理由

総菜新戦略

家庭では再現できない専門店の味を追求「本格的すぎる」総菜がコロナ禍でヒット!

1964年創業の利恵産業(神奈川県/浜野仁志社長)は、商品の企画・開発から手がける総菜の製造卸業だ。愛情を込めてつくられた「『母の手料理』のような商品」を指針に、長年、伝統的な味を守りながら商品を展開してきた同社だが、近年は新たな需要を取り込むべく、専門店のような「本格志向」の商品開発や、若年層に向けた和総菜の提案に力を注いでいる。

開発・製造機能を集約し300品目超の商品を展開

利恵産業 浜野仁志社長

 利恵産業は、商品開発・製造の機能を、神奈川県相模原市の本社にある相模原工場に集約させている。部門間で原材料や人時を柔軟に融通し合える体制を構築することで、幅広いカテゴリーの総菜製造を可能にしている。

 工場内には、炊飯・加熱・盛りつけなど、総菜製造に必要なフルラインアップの設備が、商品を高効率で製造・出荷できるように配置されている。米飯、和・洋・中の総菜、弁当、サラダ、寿司、デザートなど、全部で300品目以上の商品を取引先である食品スーパー(SM)に提供している。

 消費期限が短いため長距離配送が難しいという総菜の特性上、販売先は「クイーンズ伊勢丹」や「北野エース」をはじめ、スズキヤ(神奈川県)、アクシアル リテイリング(新潟県)など、関東とその近郊の食品スーパー(SM)が中心だ。総菜の取引量は徐々に増えており、これに伴って利恵産業の売上高も伸びている。

 利恵産業は、全体で約200人の体制で総菜の製造を行っている。それを指揮するのが、かつて在インド日本大使館公邸料理長を務めたのち、SM業界にも勤めたキャリアを持つ、商品開発部部長の古川隆裕氏だ。2018年から利恵産業に転籍した同氏は商品の企画からレシピの考案、製造工程の設計まで一気通貫で担っている。

 この古川氏のもと利恵産業では19年頃から総菜の商品政策(MD)に「本格志向」という新たな方針を打ち出している。

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