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トライアルがNEC とタッグで進める顔認証技術で「実現する」世界とは

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リテールDXの実現に向け、さまざまな領域で社外のパートナー企業と連携を深めるトライアル。昨今はこれまでの卸やメーカーといったサプライチェーン上の既存の取引先にとどまらず、ITや通信といった業界との関係性も深化している。その1つが、今年1月に顔認証技術の活用で本格的協業を開始したNEC(東京都/森田隆之社長)だ。両社は顔認証技術の活用範囲をどのように広げていくのか。双方の担当者に聞いた。

NECの高精度な技術をトライアルの実店舗に導入

 顔認証技術は、目・鼻・口などの特徴点の位置や顔領域の位置、大きさをもとに照合し、本人を特定する生体認証の一種だ。オフィスや集合住宅などの入退場管理、小売店や飲食店、自動販売機でのキャッシュレス決済など、幅広い業種・業態で活用の可能性が広がっている。NECリテールソリューション事業部門主席ビジネスプロデューサー納富(のうとみ)功充氏は「生活に関わるさまざまなシーンで本人を認証しなければならないとき、顔認証は圧倒的に便利なユーザー体験だ」と、顔認証の利点を解説する。

左からRetail AI執行役員 永井義秀氏、
NECリテールソリューション事業部門主席ビジネスプロデューサーの納富功充氏

 NECの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)によるベンチマークテストで世界ナンバーワンの評価を得るなど精度の高さを強みとする。これまでに、社会インフラとして顔認証を活用した自治体や空港での事例を含めて、さまざまな実績を積んできた。

 納富氏は「顔認証が世の中で広く使われるかたちになるには、まだ“歩むべき距離”がある」と現状を分析したうえで、「顔認証を先進的に活用しているトライアルとの協業はソリューション開発のスピードアップにつながる」と本協業のねらいを明かす。

 一方のトライアルは20年9月以降、産官連携のまちづくりプロジェクト「リモートワークタウン ムスブ宮若」のもとで、取引先のメーカーや卸、ITベンダーらも巻き込みながら、業種・業態の枠組みを超えたリテールDXを進めてきた。

 22年4月には、小型フォーマットの「TRIAL GO脇田店 in みやわかの郷」(以下、脇田店)で顔認証を活用したセルフレジ決済の実証実験を開始。ユーザーからは「プリペイドカードやスマートフォンを持たず手ぶらで買物できて便利」「使い勝手がよい」といった評価をすでに得ているという。今回のNECとの提携により、

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