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「小売ビジネスの実験場」としての存在意義が高まる、コンビニ進化の方向性とは

コンビニの役割は変わらない

 「こんど、見返してやろうよ」

 ある日、大手コンビニエンスストア本部近くのカフェに立ち寄ると、隣の席からこんな会話が聞こえてきた。このカフェにはコンビニのバイヤーとの商談帰りらしい人たちがよくいるのだが、その会話の内容は、なんというか希望にあふれているのだ。今回はダメだったけれど、次回は凄い提案で唸らせてやろう、と。

 コンビニ飽和説が数年前から囁かれている。コンビニの市場規模は現在の約12兆円で頭打ちという予想もある。すでに国内には6万店近くあるので、さすがに新規出店余地も狭まっているだろうという推測もうなずける。

 ただし、カフェで聞いた会話からも、私は肌感覚でコンビニはまだ役割を終えていないと信じている。KDDIがローソンにTOB(株式公開買い付け)を行い通信サービスとの連携を模索しているのも、その証左だろう。約6万店に広がるコンビニという商文化は、いまだに次なる市場を探求し続けている。

ファミマのアパレル進出は正攻法である

 たとえば、「コンビニエンスウェア」を標榜しアパレル領域に踏み込んだファミリーマートの戦略は特筆すべきだ。

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