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物流のプロフィットセンター化を実現するカスミのTC型SCMとは

先進的な小売業が実現している物流のプロフィットセンター化。北関東を中心に約200店舗を展開するカスミ(茨城県/山本慎一郎社長)は、食品小売業のトランスファーセンター(TC:通過型物流センター)の機能を生かした独自のアプローチで、物流効率化と新たな収入モデルの構築を実現している。

400社の納品を代行、他社との共同配送を実現

 カスミは現在、3つのTCを中心にリサイクルセンターも含めた計7つの物流拠点を基本的に自社で保有し、その構内業務と配送業務を計4社の物流協力企業へ業務委託する物流体制を構築している。

 カスミは物流戦略に次の方針を掲げる。食品小売業の物流の課題は、サプライチェーンの前後工程でさまざまな要件・条件が発生し、物流上のボトルネックが発生していること。その前後工程の「悩み」に耳を傾け、連携を強化することで課題解決を図る。とくにその「悩み」をよく知る存在として、運送事業会社や物流事業会社などの物流協力企業の存在を重視し、2004年ごろと早期からともに物流改善を続けてきた。

 そうしたなか目の当たりにしてきたのが、流通現場の深刻なドライバー不足だ。それはカスミにとっても、物流費上昇がひいては商品価格に反映されること、また店舗への納品が従来どおりにできなくなる可能性もあることから危機感を抱いていた。

 そこで、カスミが推進してきたのが、食品小売業が持つTCの機能を生かしサプライチェーン・マネジメント(SCM)を行う「TC型SCM」という取り組みだ。

 その代表施策の1つとして06年ごろから、物流センター管理業務を行う三共貨物自動車(茨城県)と連携して、メーカーとベンダーの納品代行を行っている。具体的には、三共貨物自動車を中心にカスミの商品配送を手掛ける約80の運送事業会社と連携し、ベンダーとメーカーの運べない悩みを解決するべく、配送の

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