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バローHDの最先端物流マネジメント センター運営のみならずエンジニアリングも自前の狙い

「流通業」であり、製造小売業をめざすバローホールディングス(以下、バローHD)において、物流インフラの設計施工、運営などの物流事業を一手に担うのが中部興産(岐阜県/小池孝幸社長)だ。「プロフィットセンター」と位置づけるバローHD の物流の考え方と、物流戦略についてまとめた。

小売が自前で物流網を持つ強みとは

 中部興産は、バローHD傘下の物流会社だ。主要3社である、スーパーマーケット(SM)を展開するバロー、中部薬品、ホームセンターバローの商品の集荷、仕分け、各店舗への配送を主な業務とし、ドミナントエリアである中部地方を中心に25カ所の物流センターを運営する。2023年3月期の売上高は199億円である。

 中部興産は、1989年にSM企業バローのチルド物流を担うバロー物流センターを岐阜県多治見市に開設して以降、バローの店舗網の拡大に合わせて物流網を拡充してきた。

ドミナントエリアである中部地方を中心に25カ所の物流センターを運営する(写真は可児チルド物流センター)

 「物流はプロフィットセンターであるべき」との考えのもと、一貫して自前主義を採り、物流センターの運営だけでなく、建物の設計や庫内レイアウトの設計、マテハン機器の設計など、物流インフラのエンジニアリングも自社で担う。また、WMS(倉庫管理システム)も独自で開発し、バローのシステムと連携させている。

中部興産常務取締役兼物流部部長 金子 孝治 氏

 バローHDでは、中部興産という自前の物流網を持つことで、商流と物流の双方の視点で考える企業文化やノウハウが培われてきた。中部興産の常務取締役兼物流部部長の金子孝治氏は「物流の内製化によって現場の実務に精通し、合理的なコスト水準を評価できる『ものさし』を持つことこそ、小売グループが自前で物流網を持つ強み」と述べている。

 東海エリアを中心に、大半の物流センターでは、庫内業務もすべて自社で運営しているが、北陸物流センター(富山県南砺市)では3PL(サード・パーティー・ロジスティックス)で提携先の運送会社に委託するほか、

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