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小売業のサステナビリティ推進もサポートする三菱食品の持続可能な戦略とは

サステナブル

食品の中間流通の役割を果たす食品卸企業は、多くの取引先を有し、それらをつなぐ持続可能なサプライチェーン構築が必要不可欠である。そうしたなか三菱食品は早期から全社的にサステナビリティを推進し、本業である食品卸事業のビジョンや計画、具体策に落とし込んでいる。さらに幅広い商品カテゴリー、取引先を持つからのこその豊富なデータやネットワークを生かし、食品小売業とともにサステナビリティを推進する、一歩進んだ取り組みを進めている。

ステークホルダーに「パーパス」を伝える

 三菱食品は、売上高約2兆円に上る総合食品卸で、国内だけでも物流拠点395カ所、主要営業拠点17カ所、取引先としては仕入先約6500社、小売業・外食産業約3000社・16万店舗を持ち、巨大なサプライチェーンを構築している。

 食品卸を取り巻く外部環境では、今回のコロナ禍を機に、持続可能なサプライチェーンの構築がより求められるようになっている。

 そんな背景から、三菱食品では2018年に全社横断型プロジェクトを立ち上げ、以降、全社で一体となってサステナビリティに取り組む体制を構築・発展させている。20年4月には「SDGs推進オフィス」を新設し、社内でサステナビリティの啓発活動を展開するとともに、「サステナビリティ重点課題」の特定や「2030年目標」の策定を行った。さらに22年4月には、今後はESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営が必要だとして、そのための施策立案や実行の推進全般を担う「サステナビリティグループ」を発足。専属の14人のほか、営業や物流、人事、広報などのさまざまな部門のメンバーも兼務で参画している。

三菱食品は、小売業やメーカーなどの取引先とともに脱炭素の取り組みを進める。写真は三菱食品主催の展示会で、自社の方針を伝えたパネル

 こうした体制のもと、三菱食品はサステナビリティの考えを企業の活動理念やビジョンに反映させている。21年5月、三菱食品は自社の「パーパス(存在意義)」として、「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」を掲げた。

経営企画本部サステナビリティグループグループマネージャーの橋本公尚氏

 経営企画本部サステナビリティグループグループマネージャーの橋本公尚氏は「今後も成長を実現していくためにはESGを重視した経営によって企業価値を向上していく必要がある。この新たな方向性をステークホルダーに効果的に伝える手段としてESGの概念を反映した会社のパーパスを掲げた」と語る。実際、とくに社内において意識変革が進んでいると実感しているという。

 そして三菱食品はこのパーパスを企業活動の最上位の概念に据え、この実現のために中期的にめざす姿として「次世代食品流通業への進化」を定め、中期経営計画等の具体的施策を立てている。

スコープ3を把握するシステム構築へ

 三菱食品は持続可能性のある事業構築を図るべく、取引先との

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