Zホールディングス(東京都:以下、ZHD)グループのヤフー(同)、アスクル(同)、出前館(同)の3社共同で、2022年1月に本格スタートしたクイックコマース(Qコマース)サービス「Yahoo!マート by ASKUL(」以下、Yahoo!マート)。22年度中に東京23区全エリアでの展開をめざしサービスを拡大している。国内でもQコマース事業者が増加するなか、Yahoo!マートの特徴や現在の利用傾向、さらには今後の戦略について取材した。
テスト段階から「出前館」で売上1位に
Yahoo!マートのサービス形態は、フードデリバリーサービス「出前館」のプラットフォーム上に出店。アスクルの調達網を生かし、同社がBtoC向けEC「LOHACO(ロハコ)」で扱う食品や日用品を中心に販売する。
配送を担うのは出前館の配送員だ。Yahoo!マートの倉庫(店舗)から約2~3㎞を基本商圏に、受注後、店舗で商品を受け取り、自転車やバイクで、最短15分ほどで商品を届ける。現在、最低注文金額はとくに設けていない。配送料金は店舗により異なり、1回ごとに200円~420円(税込:以下同)だ。
ZHDが同サービスを開始した背景について、ヤフーでリテールEC事業本部長を務める輿水宏哲氏は「買物において『欲しいものが欲しい時に手に入る』という体験価値は高く、ZHDでもかねてより挑戦したい領域だった」と話す。
そうしたなかコロナ禍での宅配ニーズの高まりを受け、まずは21年7月から食品や日用品を即時配達する実証実験を行った。すると、10月から2カ月間で月間注文数が
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