国分グループ本社(東京都/國分勘兵衛代表取締役会長兼CEO)は、卸売業の機能を強化していくとともに、「食のマーケティングカンパニーの進化」を旗頭に、「モノ売り」と「コト売り」の2輪体制の確立をめざしている。そのカギを握るのが、メーカーやベンチャー企業を巻き込んで、流通ビジネスの課題解決を図る、「共創圏」の構築だ。同社社長執行役員の國分晃氏にコロナ禍の影響や好調な商品、「共創圏」づくりの進捗について、話を聞いた。
新長計初年度から大きな成果
──2021年12月期をどのように見ていますか。
國分 21年度は、『「食のマーケティングカンパニー」の進化~共創圏の確立~』をビジョンに掲げた第11次長期経営計画のスタートの年でした。このビジョンの実現に向け、「顧客満足度No.1」「共創圏の確立」「“コト売り”の目標比率(経常利益の30~50%)の達成」「従業員の仕事における幸福度の向上」の4つの価値創造目標の達成をめざしています。
初年度から大きな成果を得ることができ、連結決算は、売上高が1兆8814億7100万円で対前年比101.8%。経常利益は同136.1%の139億900万円で、09年以来12年ぶりに過去最高益を更新しました。
──21年度はコロナ禍に加え、不穏な世界情勢によって需給バランスが不安定化した一年でした。
國分 世界的な原料価格の高騰、物流のひっ迫、為替の変動、コロナ禍による労働力不足、加えて今年2月下旬からロシアのウクライナ侵攻と、今や物価の引き上げ要因が多数存在します。欧米と比べてインフレ率が低い日本はこのままでは世界から食糧を調達できなくなるのでは、と危惧しています。適正な価格実現に向けた売価の引き上げが食品業界全体の重要なテーマになっています。
今年10月の商品価格引き上げでは、
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