食品卸大手の日本アクセス(東京都)は、2024年度までの「第8次中期経営計画」で「構造改革2024」のスローガンのもと、収益構造改革、経営基盤改革に取り組んでいる。同社は自社の強みとして「情報卸」を掲げ、小売企業のデジタル化をサポートする役割も担っている。アフターコロナの時代に求められる卸の役割と今後の戦略について、佐々木淳一社長に聞いた。
DgSが売上けん引センターの稼働率向上
──2021年度の業績をどのように見ていますか。
佐々木 2022年3月期の業態別売上では、コロナ禍での断続的な行動制限に伴って内食需要や巣ごもり需要が継続したことから、食品スーパー(SM)、総合スーパー(GMS)、ドラッグストア(DgS)で売上が拡大し、利益を着実に積み上げることができました。コロナ禍以前の19年度の水準には達していないものの、20年度に苦戦したコンビニエンスストア(CVS)や外食チェーンでも回復傾向にあります。全体としては、22年3月期は「収益認識に関する会計基準」適用のため、前期との純粋な比較はできませんが、実質増収増益となっています。
──業態別売上を見ると、とくにDgSで順調に伸長しています。
佐々木 DgSの売上ではコロナ前の対19年度比で見ても18.5%増とコンスタントに伸び続けています。DgSは各社とも出店意欲が旺盛であり、ワンストップショッピングの利便性を高めようと食品カテゴリーを強化する動きも活発です。
食品強化型のDgSが店舗網を全国規模で拡大させるなか、われわれが強みとするチルド・フローズンの商品をいかに提案できるかがポイントになります。3PL(サードパーティー・ロジスティクス)センターではDgSからの受託業務の割合が増え、稼働率が上がっています。
──好調だった商品カテゴリーを教えてください。
佐々木 冷凍食品は、
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