ショートタイムショッピングの重要性
流通業者にとって、商品やサービスを提供する対象者が今や大きく変化していることは本連載の第3回で述べた。夫婦に子供2人、主婦は専業、という昭和の典型的な4人家族構成は今や少数派なのだ。成人女性の4人に3人は職業を持ち、男女合わせて3人に1人は単身生活者である。
大衆の暮らし方が変わったのだから買物の仕方も変わってきて当然である。働く主婦と単身者に共通する買物の条件は、「ショートタイムショッピング」である。いずれも仕事と家庭生活の維持を1人で背負っているのは同じだ。夫がいる場合でも家事は主婦が担う場合が多いから買物に時間はかけられない。
生活消耗品などのコモディティグッズはEC販売を利用したほうが便利な場合が多く、それも併用するが、店で実物を確かめてから購入したいものは多いのだ。だからベーシックアイテムはECで発注しておいてそれを店頭で受け取り、その後入店して追加購入する買物方式がアメリカでは定着しつつある。
したがって、店は職場から居住地までのあいだか、居住地に近いことが望ましい。また、地方都市ならクルマ通勤が主流だから駐車場の出入りが便利なこともショートタイムショッピングの条件になるのだ。
この点ではチェーンストアをめざしてきた急速成長組はサバブのクルマ移動に便利な立地に店舗を持っている。だから数兆、数千億、数百億円規模に成長できたのだ。しかしこれからチェーンストア志向企業同士の競争になるから、店をもっと便利にしなければならない。
決め手は
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