トライアルは主力のスーパーセンター(SuC)の出店と並行して、ドミナントエリアの“空白”を埋めるための小型フォーマットの開発にも注力している。その戦略の最先端に位置づけられるのが、今年4月にオープンした「トライアルGO脇田店in みやわかの郷」(福岡県宮若市:以下、脇田店)だ。トライアルが持つ最新の技術を導入した「次世代型スマートストア」として、徹底したローコスト運営と利便性の高い買物環境を実現した店舗である。
「買物」を変える4つの最新技術
トライアルグループが行政と連携し、リテールAIの研究開発拠点「リモートワークタウン ムスブ宮若」の名称のもと、包括的な街づくりを行っている福岡県宮若市。その地に4月20日、次世代型小型スマートストア「トライルGO」の1号店としてオープンしたのが、脇田店だ。
売場面積は約300坪で、標準的なSuCの店舗と比べると5分の1ほどの大きさである。店の規模こそ小さいが、同店はトライアルが開発した最新技術を全面的に導入し、ローコスト運営のレベルをより高めた戦略的店舗の1つとなっている。
脇田店に導入された最新技術は大きく4つ。1つは、24時間対応の顔認証決済システムだ。顔認証機能が付いたセルフレジを導入し、あらかじめ顔を登録しておくことでそのまま決済が完了する(しばらくは関係者のみが対象)。すばやく精算ができるだけではなく、これまでは従業員による目視での確認が必要だった酒類販売時の年齢確認も顔認証を介して行えるようになった。
2つめの技術は、カメラと電子棚札を連動させた「自動値下げシステム」だ。天井部に設置されたカメラで売場に並ぶ商品の数量や賞味期限をモニタリングし、これにAIを組み合わせて、最適なタイミングで値下げを行う仕組み。実際に価格を変更する際は電子棚札に情報が発信され自動で表示が変わる。
これにより、従業員は商品の数量や賞味期限を確認したり、値下げシールをひたすら貼ったりという作業から解放されることになる。まず総菜・弁当売場から自動値下げシステムを導入し、稼働状況を見ながら今後適用する売場を広げていく考えだ。
また、このカメラでモニタリングしたデータをもとに、
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。