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レシートは語る第8回 ドン・キホーテの利用実態 畜産の購入金額はイオン、ライフ超え!?

 mitoriz(東京都/木名瀬博社長)は、全国に約100万人の協力モニターを擁し、日本初のレシートによる購買証明付き・購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(ポイント・オブ・バイ:以下、POBデータ)」を有している。月間1500万枚のレシートを収集し、リアル消費者購買データベースとしては国内最大級の規模となる。(提携サイト含める)

 このPOBデータと協力モニター(以下、POB会員)へのアンケート調査を活用すれば、消費者から見た小売りチェーンの実態を明らかにすることができる。本連載では毎回、業界で関心の高いテーマを設定して独自調査を実施し、その結果をレポートする。

 連載第8回目は、ディスカウントストアにおける食品購入の実態を探るべく、最大手であるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(東京都)傘下のドン・キホーテ(同)にクローズアップした。

「日頃食品を購入する場」で
全国3位にランクイン

 アンケートでは、「日頃、食品購入時にメーン利用するチェーン」について、1730人の消費者(女性のみ、エリア:全国)に聞いた。その結果、1位の「業務スーパー」(228人)、2位の「イオン」(171人)に続く3位に、ドン・キホーテの大型店「MEGAドン・キホーテ」(146人)が入った。もちろん全国に店舗展開している優位性があるからではあるが、有力チェーンのオーケー(93人)や、ライフ(80人)を抑えて上位にランクしている。

 また同じくディスカウントストア業態では、9位に「ダイレックス」(50人)も入った。この結果から、食品を日常的に購入する場所として、ディスカウントストアは大きな存在感を発揮している業態であることがわかる。

決して低くない
「鮮度」に対する評価

図表1

 図表1は、消費者アンケートで、各チェーンのメーン利用者に「(そのチェーンを)支持する理由」を聞いた結果をまとめたものだ。ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテ」と、食品スーパー「ライフ」、総合スーパー「イオン」の数字を比較している(N=MEGAドン・キホーテ146人、イオン171人、ライフ80人)。

結果を見ると、1位の立地以外で、「MEGAドン・キホーテ」が支持される理由は、「価格が安い」(41.8%)、「セール・特売品購入」(32.2%)などの回答が多かった。また、「クーポンやチラシなどの販促」(26.7%)も、イオンに並んで高かった。

 ここでは生鮮食品の「品揃え」「品質」についての評価も聞いた。すると、「MEGAドン・キホーテ」は順に13.7%、11.0%、「イオン」は20.5%、16.4%、「ライフ」は20.0%、20.0%となった。イオン、ライフとは差が開いたものの、実際の利用者からは、「店内がよく掃除されていて清潔感があり、肉や魚は鮮度が良く美味しい」「利用者が多い店舗なので、商品の回転が速いから鮮度も高い」と評価する声も挙がっていた。

 また「MEGAドン・キホーテ」では、「閉店時間が24時で、仕事終わりにゆっくり買物出来て嬉しい」など、営業時間が長いという利便性に魅力を感じているというコメントも目立った。

畜産の購入率は
「イオン」以上

図表2

 次に、購入レシートにおけるカテゴリー出現率を分析した(図表2)。

 購入率の高い上位15位までのカテゴリーをみると、「MEGAドン・キホーテ」で最も購入されているのは日用品だ。これに、集客目的で低価格販売される「菓子」や「パン・シリアル」などが上位にあがる。

 そうしたなか、注目したいのが、「農産」(19.6%)、「総菜類」(15.5%)、「畜産」(14 .6%)などの生鮮品の購入率も高い結果が出ている点だ。とくに「畜産」については、イオンの(13.8%)よりも高い結果が出ている。

 一方で、生鮮の中でも「水産」においては、「MEGAドン・キホーテ」は(3.7%:27位)で、イオン(7.8%:9位)、ライフ(12.4%:9位)のほうが購入率は圧倒的に高かった。

 そのほか、ディスカウントストア利用者196人のうち、9割以上が「食品スーパーを併用している(91%)」と回答しており、ほとんどの消費者はディスカウントストアと食品スーパーを使い分けていると見られる。

21年の購入点数は
最も高い結果に!

 最後に21年1月~12月までの3チェーンのレシートデータを分析し、購入状況を比較した(図表3)。

 その結果、「MEGAドン・キホーテ」のレシート1枚平均の購入点数は、6.1点と最も高い結果だった。

 またカテゴリー別では、「農産」「総菜」では「MEGAドン・キホーテ」は購入単価が最も安いため、平均購入金額は最も低い結果となっているが、平均購入点数に大差はないことがわかった。

 図表2で購入率の高かった「畜産」については、平均購入金額は597円と、「イオン」だけでなく「ライフ」も上回っている。畜産についてのコメントを見ると、「肉のメガ盛りがお得」「肉が大容量で安く売っているのが良い」など、コストパフォーマンスの高さが評価されているようだ。

 アンケート回答者の家族構成をみると、「4人以上」は、「MEGAドン・キホーテ」は(27.4%)であるのに対し、「イオン」(21.1%)、「ライフ」(18.8%)とファミリー層に選ばれる傾向がある。

 こうしたなか、「単身・夫婦2世帯」の利用者からは、「容量が多すぎて買うのを躊躇することがある」「少量パックの商品も売って欲しい」という意見が見られた。

 これらの結果から、かつては“安かろう、悪かろう”という印象が拭えなかったドン・キホーテだが、生鮮食品についても取り扱うノウハウを蓄積し、消費者から着実に支持を獲得していることがわかる。
22年に入って、食品メーカーの値上げが相次いでいる。消費者の節約意識が高まる中、日常的な食品の買い場として、ドン・キホーテはいっそう存在感を発揮していきそうだ。

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