商品の仕入れや売場づくりにおいて、ウォルマート(Walmart)時代の全国一律標準化モデルから脱却し、地域対応強化に取り組む西友(東京都/大久保恒夫社長)。地域のニーズにきめ細やかに対応するための戦略として位置づけるのが、商販一体の組織体制の構築だ。情報共有や現場への権限移譲、人材教育などに積極的に取り組み、自ら考える企業風土づくりに力を入れている。
商販の情報共有でニーズに素早く対応
西友は、2021年6月に公表した中期経営計画を達成するための新たな組織体制として、商販一体となった営業部門の構築を推進している。これは、商品本部、販売本部、EC事業本部、物流本部、マーケティング本部等を営業部門と位置づけ、部門横断で顧客ニーズに即応できる本部組織をめざしたものだ。
執行役員販売本部長の小川秀典氏は「従来は、店舗の現場から赤羽の本部に情報を伝えたり、販売本部と商品本部双方が情報連携を行って効果的なアクションにつなげていく体制が確立していなかった。販売本部でも商品本部でも、店舗売上や粗利といっためざすべき目標数値は同じだ。それに影響を及ぼすような顧客ニーズの変化や売れ行き動向は早い段階で共有し、スピーディにアクションを起こしたほうが結果につながる。商販一体の体制づくりはそれを可能にする」と語る。
販売本部は絶えず顧客の声を拾い、競合の視察も欠かさない。販売本部が把握している地域の情報を商品本部に共有することで、商品政策を調整するスピードが格段に速くなり、仕入れや売場づくりにもすみやかに反映されるようになってきた。
西友は21年4月から、
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