コロナ禍で低空飛行が続いたものの足元では利用が回復傾向にあるセブン‐イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)。同社は店舗商品の配送サービスの拡大など、新たな成長施策を大きく打ち出し始めている。直近の施策と今後の成長戦略を永松文彦社長に聞いた。
フェア実施で既存店売上がコロナ前を上回る!
──コロナ禍は3年目を迎えました。足元では商品原価が高騰しています。コンビニエンスストア(CVS)を取り巻く環境をどのようにとらえていますか。
永松 コロナ禍において、人流の変化がビジネスに最も大きな影響を与えました。何度も感染拡大の波が起こるなかで、お客さまは今まで以上に“おうち時間”を大切にされていると強く認識しています。クリスマス・イヴの当たる2021年12月24日のセブン‐イレブン日販が、00年以降、最高を記録した事実からもそれを実感しました。
そこで、22年1月から“おうち時間”を楽しんでいただける商品を取り揃えたフェアを毎月開催することにしました。月を追うごとにフェアの売上高だけでなく総売上高も上昇し、3月、4月ともに、既存店の平均日販が前年同月だけでなく19年同月も上回っています。
商品原価の高騰については、できることならば売価を上げないで対応できることが望ましいのですが、適正な利益を得るには値上げせざるを得ない局面もあり得ます。そうしたなかでもセブン‐イレブンでは「価格を上回る価値の提供」を大切に考えていますので、商品の改良・改善などによって付加価値を高めたうえで売価を見直すつもりです。
──コロナ禍で苦戦した業種業態では19年の売上にまだ回復できていない企業も少なくありません。売上増をけん引した
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