主力ブランド「ZARA」(ザラ)を中心に世界最強のアパレルといわれるスペインのインディテックス(Inditex)。同社の2021年度決算は、コロナ禍に苦しんだ前期からは一転、好調な数字をたたき出した。コロナ禍が続く中、インディテックスはどのような戦略でもって、企業を変革したのか?
コロナ前に売上を戻す
インディテックスは、主力ブランド「ZARA(ザラ)」を中心に、ホームファッションブランド「ZARAHOME(ザラホーム)」、若者向けブランド「Pull & Bear(プル&ベア)」、ラグジュアリー志向のブランド「Massimo Dutti (マッシモ・ドゥッティ)」など、計8ブランドを傘下におさめる世界最大の衣料品専門チェーンだ。
インディテックスでは売上高の7割以上を「ザラ」と「ザラホーム」が占めている。地域別では欧州の売上高構成比が62.8%で最も高い。消費者の価値観やライフスタイルの変化に合わせて新たな領域も積極的に開拓。21年度には、初のコスメライン「Zara Beauty(ザラ・ビューティ)」やスポーツウェアコレクション「Zara Athleticz(ザラ・アスレチックス)」、洗練されたシンプルなユニセックスウェア「Zara Origins(ザラ・オリジンズ)」を立ち上げた。
20年度はコロナ禍の影響を受けて売上高が対前期比28%減の204億ユーロ(2兆7540億円:1ユーロ=135円で換算)と大きく落ち込んだ。21年度は、新型コロナウイルスの感染再拡大により第1四半期と第4四半期で営業時間の短縮を余儀なくされたものの、第2四半期と第3四半期は業績が大幅に改善した。その結果、通期ベースの売上高は対前期比35.8%増の277億2000万ユーロ(約3兆7422億円)となり、コロナ禍以前の19年度の水準までほぼ回復している。
インディテックスは、
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