東京都に本拠を置き、埼玉県、千葉県、茨城県の1都3県で食品スーパー(SM)を展開するコモディイイダ。「地域密着SM」を掲げる同社は、2021年11月に新たに社長に就任した飯田武男氏のもと、価格訴求を軸に競合店に真っ向勝負を挑む“攻める商売”を推進している。直近の取り組みについて、飯田社長に聞いた。
全店舗の約3分の1が自社物件
──2021年11月に社長に就任しました。率直な感想をお聞かせください。
飯田 私は創業者である飯田信助氏の孫で、営業から仕入れ、販促、店舗開発などあらゆる業務に携わりました。約34年間役員を務め、一度退職しました。その後は相談役という立ち位置でしたが、約5年ぶりに会社に戻ってきたかたちとなります。
私が一度退職した5年前は売上高が約940億円でしたが、直近の21年8月期の売上高は約910億円です。5年間に新店が10店舗増えているにもかかわらず、売上高と来店客数が減少しているのは店舗に魅力がないからです。このような危機感を抱いていたところに社長就任の声がかかり、会社に命を捧げる覚悟で引き受けました。
──まずはどういった部分から改革していきますか。
飯田 当社は創業時から薄利多売で、良質な商品をできるだけ安く提供することで地域社会に貢献することをめざしています。しかし、ここ10~20年はどちらかというと“受け身の商売”となっており、創業時の精神から外れつつありました。当社は長年、無借金経営を継続していますが、それができるのは約100年の歴史の中で先人の努力があったから、そして地域のお客さまに支えられてきたからです。
こうした感謝の気持ちを忘れず、今一度お客さまに利益を還元するため、すでに徹底的な価格訴求を進めています。競合店に対して“攻める商売”を実行させることで、従業員も私の“本気度”を感じたのか、モチベーションが高まり現場に活気も出ているようです。当社は無借金経営であるだけでなく、数百億円規模の
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