2005年の1号店出店、そして12年のイオンリテール(千葉県/井出武美社長)からの分社化以来、まいばすけっとは怒涛の出店で企業規模を拡大してきた。そんな同社の出店攻勢を支えているのが同社の教育体制であり、その中でとくに重要な役割を果たしているのが作業手順を記したマニュアルだ。本稿ではマニュアル整備をはじめとした、まいばすけっとの業務改善の取り組みにフォーカスする。
創生期からマニュアル整備に注力
2005年のクリスマス、横浜市に第1号店となる実験店を出店した「まいばすけっと」は、「近い、安い、きれい、そしてフレンドリィ」をコンセプトに、都市部の買物不便者のニーズに対応する業態として、神奈川県の横浜市と川崎市、そして東京都を中心に、仕組みづくりも重視しながら拡大してきた。直営による店舗運営、店舗・売場の標準化、ドミナント化、EDLP(エブリデイ・ロープライス)政策、1人の店長(店舗マネージャー)が2店舗をマネジメントする運営体制(スーパーインテンデント)などにより、小規模の多事業所展開の営業形態ながら、22年1月の「大森北1丁目店」(東京都大田区)の出店により、1000店舗体制を達成した。
まいばすけっとは店舗面積約60坪を標準タイプとする小型フォーマットだが、店舗での基本的な日常業務は一般的な食品スーパー(SM)とそう変わらない。しかし通常、店内に複数の社員がいるSMと違い、まいばすけっとの場合、社員2人以下で運営することが基本となる。また、営業時間も7時から24時までの17時間ある(店舗によって異なる場合あり)。新卒社員の場合、6カ月の研修期間を経て店舗を任され、3年目までにスーパーインテンデントになるのが平均的なキャリア形成だ。
店長を含め店舗当たりの人員が一般的なSMよりも少ないまいばすけっとでは、配置転換が行われても同じように業務ができるよう、徹底した標準化や作業のしやすさを実現するための業務マニュアルが、創生期からつくられている。
まいばすけっとの
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