小型フォーマットの強みを生かし、都心立地をはじめ標準的な食品スーパー(SM)では出店できないような物件に出店することで店舗網を拡大し続けているまいばすけっと。本稿ではまいばすけっとの都心部におけるドミナントの成功例とされる、東京都港区のJR「田町」駅~「浜松町」駅周辺のドミナントをめぐり、その強さを探ってみたい。(調査期間:2021年12月20、21、23、27、29日) ※本文中の価格はすべて本体価格
建物構造に合わせて売場を柔軟に変化!
今回、調査した東京都港区のJR「田町」駅~「浜松町」駅周辺は、高層ビルが立ち並ぶ、都内でも屈指の都心エリアだ。オフィスビルが林立するため一見するとオフィス街のように見えるかもしれないが、街を歩いていると高層マンションや5~6階建ての集合住宅も多く、人口密度が高いエリアであることわかる。
両駅とも駅前は飲食店やコンビニエンスストア(CVS)が多く、目立ったSM店舗といえば「田町」駅東口にあるライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)の都市型小型店「ライフムスブ田町店」のほか、マルエツ(東京都/古瀬良多社長)の小型フォーマット「マルエツプチ」が点在するくらいだ。
都心エリアは、一般的なSMが出店できる物件は皆無といっていいほどに少なく、近年各企業が取り組んでいる「都市型小型SM」と呼ばれるフォーマットでも、賃料の高さもあって運営には高いハードルがあり、成功している企業はひと握りだ。そうした環境下、近年は、賃料が比較的安い小さな物件に出店可能なまいばすけっとが存在感を大きくしている。
2022年1月現在、まいばすけっとは港区内に20店舗を展開しているが、今回は9店舗を調査対象とした。このうち開店日が最も古いのは10年9月オープンの「三田2丁目店」、最も新しいのは20年11月開業の「芝浦3丁目店」で、まいばすけっとは約10年で現在のドミナントを形成したことになる。
出店地を見ると、中小規模のビルの1階部分に入っているケースが多いが、19年開業の「芝4丁目店」は住友不動産が管理する大型ビル、最も新しい「芝浦3丁目店」はホテル1階部分と、直近では従来よりも賃料が高いと思われる場所にも出店しているようだ。
売場に注目すると、特徴的なのは、出店する物件によって建物の形状が異なるため、それに合わせた売場配置となっている点だ。とくに、
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