アークス(北海道/横山清社長)傘下で、本拠地青森県のほか岩手県、秋田県で計57店舗の食品スーパー(SM)を展開するユニバース。2021年2月期の売上高は1300億円を超え、北東北エリアでは圧倒的なマーケットシェアを握る有力企業だ。そんな同社では21年5月、三浦建彦氏が創業者である実父・紘一氏からバトンを引き継ぎ社長に就任した。コロナ禍の消費動向の変化や、人口減少、競争激化といった厳しい経営環境のもと、どのような成長戦略を描いているのか。三浦社長に聞いた。
「本来の競争環境に戻る」EDLPの部分導入も検討
──足元ではコロナの感染状況も落ち着き(編集部注:インタビューは21年11月下旬に実施)を見せていますが、現状の経営環境と年明け以降の動向をどう見ていますか。
三浦 各社同様と思いますが、やはり(コロナ感染者数が大きく減少していった)10月後半から一気に流れが変わりました。外出や外食を楽しむ人が増えた結果、既存店売上高はコロナ特需の反動により、前年同月比較でマイナスに転じています。
もっとも、コロナが収束傾向を示せばこうなることは予測できていたので、「来るべき時が来た」という思いでもあります。今後の見通しを立てることは依然として難しいですが、SM業界では“本来あるべき競争”が再スタートしたと言えるでしょう。
──“アフターコロナ”が近づくなかで、ユニバースとしての経営課題をどのように認識していますか。
三浦 北東北を地盤としている以上、やはり人口減少という課題から目を背けることはできません。それは人手不足という問題にも直結しますので、ローコストオペレーションをどのように確立するかという点もカギになります。
パイが縮小するなかで集客を図るためには、価格政策も重要です。ユニバースではこれまで、チラシを軸とした「ハイ&ロー」政策で売上をつくってきた経緯もありますが、今後はEDLP(エブリデー・ロープライス)も志向していきます。コロナ禍では密を防止するためにチラシの掲載アイテム数を減らしました。一方で「家計応援企画」として購買頻度の高い700品目を一定期間値下げするという取り組みを行いました。この企画をとおして、価格感度の高いお客さまから一定の支持を集めることができたと考えています。
──最終的には完全なEDLP企業に移行するという考えなのでしょうか。
三浦
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