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[塗料]ホビー、インテリア需要が高まる、新カテゴリーの創造に向けた新商品の投入が活発に

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塗料


ホビー、インテリア需要が高まる
新カテゴリーの創造に向けた新商品の投入が活発に

家庭用塗料市場は従来メーンだった補修用需要に加えて、ホビーやインテリアなど、ライフスタイル型需要のウエートが大きくなっている。ワークショップなどの体験型イベントも各ホームセンター(HC)で実施されるようになった。こうしたトレンドから新しい需要開拓と取り込みにつなげるべく、メーカー各社は積極的に商品開発を行っている。主要メーカーの商品トレンドを見ていこう。(本誌:上明戸聡)

 

 

コンセプト商品開発で新カテゴリー活性化

 

 家庭用塗料市場は、人口減や少子高齢化に伴い伸び悩む傾向にある。住居回りの補修や塗り替えといった需要増の余地は限られているが、一方で「DIY女子」といった言葉に象徴されるように、趣味的な用途に使用する新しい需要層は明確に増加傾向にある。

 

 こうした需要に代表される新規ユーザー層に対し、各メーカーはさまざまなコンセプトを持つ新商品を打ち出し、多様なペイントシーンの提案に取り組んでいる。中でもインテリアやホビー向け商品が伸びている。

 

 こうした情勢を受けてHC店頭ではワークショップなどの体験型イベントが活発に行われている。これまでとは異なるユーザー層に対し、異なるアプローチが求められている。

 

 

アサヒペン

多様な使いこなしで自由な楽しみ方と利便性を提案

 

 アサヒペンでは、多様な塗料のラインアップをDIYショウなどで訴求していく方針だ。まず水性木部ステインの「水性WOODジェルステイン」は、ウエスで刷り込んで塗るタイプの塗料。豆由来の天然ジェル化剤を配合。そのため、初心者でも、ムラになりにくく、簡単にきれいに仕上がるのが特徴だ。においもなく、屋内外に使用できる。

 

 「水性ウッドリフォームペイント」は、水性の「塗り替え」を主目的にした低臭タイプの木部保護塗料。汚れてくすんだ下地を高い着色力と隠ぺい力で隠し、きれいな木目仕上げを楽しむことができる。水性で塗りやすく、1回塗りで施工も手軽だ。ログハウス、ウッドデッキ、ラティス、ガーデン木製品、木戸、木扉、雨戸、羽目板、家具、窓枠など屋内外の木部・木製品に幅広く使用することができる。

 

 「水性ぷっくりDECOマーカー」は、水性のデコレーションマーカー。細字のマーカータイプになっていて、絵を描くように描くことができる。塗膜はぷっくり立体感を持った仕上がりで、かわいいデコレーションが楽しめる。紙、プラスチック、木などのほか布にも描くことができ、洗濯も可能。14色を揃えている。

 

 このほか、水性や油性の塗料に混ぜることで、残った塗料を固化して一般ごみとして廃棄することができる「水性・油性兼用塗料用固化剤」も注目商品。35gの使いきりタイプと500gのBIGタイプの2規格を揃える。ニスや薄め液にも使用できる。

 

 また「塗料用ニオイ緩和剤」は、使用前に塗料に添加することで、爽やかなフルーティな香りになり、塗料のツンとくるにおいを感覚的に軽減する。屋内はもちろん、外装など屋外での塗装の際も周囲に気兼ねなく塗装することができる。水性塗料・油性塗料の両方に使用可能だ。

 

 

注目メーカー HCへの取り組みと注力商品

 

アトムサポート

調色に対応している水性多用途塗料「フリーコート」

 

 アトムサポートでは、3分つやの水性多用途塗料「フリーコート」のデザインを一新し、リニュアル発売した。鉄部、木部、コンクリート、ビニールクロスなどに使用できる汎用性の高い屋内外用水性塗料で、最大の特徴は売場に並んでいる標準色45色に加えて、調色対応色267色の全312色を揃えたカラーバリエーションの豊富さだ。今までの色数では満足できなかったこだわりの色も探すことができる。

 また「パーソナルカラー」の理論を使いすべての色を2種類のトーンに分け誰でも色選びがしやすく設計した。

 「パーソナルカラー」とは、すべての色を、人間が感じる感覚的な色みである「イエローアンダートーン」(黄み基調でウォームトーン)、「ブルーアンダートーン」(青み基調でクールトーン)の2種類に分け、同じトーンのものを身につけることで、魅力的に見せることができるというコーディネート理論のこと。主に服飾やメイクなどのファッション関連で活用されているほか、なじみの良い調和論としてさまざまな領域で広く利用されている。色の組み合せを実際にイメージできるよう、スマートフォンやPCから、自分の好きな色の組み合わせを試すことができるカラーシミュレーションのコンテンツも用意している。

 同社では、店頭の色見本帳から好みの色を1缶からオーダーできる「カラーオーダーシステム」を今後店頭展開していく方針で、オーダーする場合は、店頭で色とサイズを選び、指定の申込用紙にて注文する。後日自宅か店頭で受け取ることができる。

カンペハピオ

「ヌーロ」にマニキュアタイプ「プロペイントシリーズ」にも注力

 

 カンペハピオでは、変化する塗料市場に向けてさまざまな戦略商品を投入している。とくにHCの塗料部門における新しいカテゴリー創造をめざし、女性向けホビーユース(DIY女子)に対応する商品と、拡大するリフォーム需要とPROショップに対応する商品に注力している。

 まずホビー需要向け商品としては、発売から7年を迎える好評のチューブ塗料「ヌーロ」に「マニキュアタイプ」を投入。刷毛付きなので、絵や文字を描く時だけでなく、補修にも使える便利グッズだ。さらに見る角度で色が変化するラメカラーなど、11色を追加し、シリーズ最大55色のカラーラインアップを実現した。

 またホビーグッズの塗装に適した刷毛など、関連グッズもさらに充実。工作が楽しくなるかわいいプリント刷毛など、女性や子供に合うサイズの用具をラインアップしている。またリフォーム需要とPROショップ向け商品として「プロペイントシリーズ」を発売した。シリーズには用途別に「ビニデラックス300α」「アクアグロスα」「SDホルスα」「アクアヤネシリコンα」「スーパーシリコンルーフペイントα」などをラインアップ。

 いずれも世界基準の関西ペイントの品質をもとに開発された建築用プロ向け塗料を、多能工・セミプロ使用にカスタマイズした高い品質が特徴。リフォームやメンテナンスに必要な需要量の高い色を設定し、容量は7kg、4kgの新容量を展開している。また1回塗りで乾燥時間が短いという作業性の高さも特徴となっている。

 

ニッペホームプロダクツ

インテリア空間を演出する「STYLE」に新商品「DIYペンキ」を発売

 


インテリアやガーデニング回りで手軽に使用できる「DIYペンキ」

 2017年に発売し、部屋のセルフリノベーションを提案する室内用ペンキ「STYLE」が好調。この数年、ニッペホームプロダクツでは、ライフスタイルに合ったインテリア性やデザイン性など、生活空間づくりにターゲットを絞った提案を強化しており、その中核を担うのが「STYLE」だ。昨年のDIYショウにおいても、独特の空間演出や世界観を前面に打ち出した展示を行い、注目を集めた。

 17年秋には、「STYLE」シリーズの新商品「DIYペンキ」150㎖、500㎖を発売。屋内外用の小容量タイプで色は各サイズ20色。滑らかで下地が透けないカラーを厳選している。インテリア雑貨や、ガーデニング回りのDIYペイントに最適。壁紙の上からそのまま塗ることができ、乾燥後は耐水性・耐久性に優れた強い塗膜となる。マット色(つや消し)なので、チョークボードにも使用できる。

 ラインアップの強化と併せて、HOWTO動画をYouTubeやInstagramの公式アカウントから発信するなど、プロモーションも強化。SNSなどのメディアを通じて「STYLE」の世界観の発信をめざす。

 また2kg、4kgの「STYLE」と用具をセットにしたセット商品や、初めてペイントする人に便利なこだわりのペイントツール一式(刷毛、ポリ手袋、マスキングテープ、マスカー、ローラーハンドル、スモールローラーなど)をセットにしたスタートキットも販売するなど、新しい需要層開拓に向けた取り組みを強化している。

 またシリーズ商品として“ちょっと塗り”ができる「CHUPOT!(チュポ)」を用意している。5gの小容量であるため、「STYLE」を本格的に使用する前の色の確認や試し塗り用として、また壁の補修や壁に絵を描きたい場合などに便利だ。

 

和信ペイント

木の風合いを生かした水性木部用塗料「WOOD ATELIER」を発売

 


従来はなかったカラーバリエーションを揃えた「WOOD ATELIER(ウッドアトリエ)」

 和信ペイントでは、女性のDIY心をくすぐる新商品として水性木部用塗料「WOOD ATELIER(ウッドアトリエ)」を発売した。特徴はこれまでのニス・ステイン類にはなかったカラーバリエーションの充実。シリーズ商品として、水性着色剤の「ウッドステイン」(メーンカラー12色・サブカラー16色)、水性ウレタンニスの「クリアコート」(メーンカラー12色プラスつやあり・つや消し)、木材保護塗料の「エクステリアカラー」(メーンカラー12色)、水性固形状ニス「ソリッドカラー」(メーンカラー12色)をラインアップしている。

 「ウッドステイン」は、顔料の定着性を向上させ、ステインのみで仕上げても色移りしにくいのが特徴。防水性が必要な場合は、「クリアコート」を上塗りすることができる。

 また「ソリッドカラー」は水性としては今までにないペースト状のニスで、ワックス感覚で手軽に使用できるのが特徴。複雑な形状の作品でも塗りムラが出にくく、ワックスと比較して色落ちしない。

 木部用塗料専門メーカーとしてのこだわりを凝縮した高い品質も魅力となっているほか、商品開発に当たっては、同社が推進するペイント同好会「JLPC(ジャパンレディスペイントクラブ)」のメンバーなど、女性の意見を聞き取り、独自のカラーバリエーションを生み出した。これらの女性層がSNSで情報発信することによる、波及効果も期待できる。

 また女性のライフスタイル誌やDIY関係媒体などに集中出稿することで、新コンセプトの商品として認知の拡大を図っていくことにしている。