この夏は、ファンクバンド「面影ラッキーホール」(現在はOnly Love Hurts名義で活動)ばかりを聞いていた。
テニス仲間のY氏が「いいから」と強く推してくれたからで、手始めに『Greatest Hits!!』を購入してみると、そこには劇画の世界が広がっていた。
以前、このBLOGで、「大抵のTPO(time、place、occasion)にふさわしい楽曲が自分の“記憶の棚”に入っており、もう新曲を収納する空きスペースがない」と書いたが、彼らのモチーフは、これに当てはまらない。過去にまったくなかったものだからだ。
http://diamond-rm.net/articles/-/4142
タイトルを列挙してみよう。
『パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた…夏』
『俺のせいで甲子園に行けなかった』
『好きな男の名前腕にコンパスの針でかいた』
『あんなに反対してたお義父さんにビールをつがれて』
『ピロウトークタガログ語』
『あたしだけにかけて』
目を白黒させてしまったのではないだろうか?
そして、ひとたび、Y氏がカラオケを歌えば、周囲の全員が引いてしまう“不謹慎な歌”の数々である。
しかし、過去に誰一人として、これらのモチーフで楽曲を書いたことがないところが素晴らしい。音楽界のブルーオーシャンである。
実は、Only Love Hurtsは人の出入りが激しく、現在のメンバー構成はもちろん、誰が楽曲を書いているのかも知らない。
にもかかわらず、ここまで私を興奮せしめ、キーボードを叩かせるのは、やはり彼らに強烈なオリジナリティがあるからなのである。
※「YOU TUBE」では彼らのいくつかの楽曲を聴くことができます。気に入ったならばぜひ、ご購入願います。