アマゾン・ドット・コムが独り牽引する通信販売市場にあって、やはり異彩を放っているのがジャパネットたかた(長崎県/高田旭人社長:以下、ジャパネット)だ。
2014年12月期の売上高は1538億円。アマゾン ジャパン(東京都/ジャスパー・チャン社長)の79億1200万ドル(=約8000億円)には遠く及ばないものの、2012年12月期の1170億円から徐々に巻き返しを図り、2代目の新社長を迎え、新たな成長期を迎えている。
私が考えるジャパネットの強みは、何と言っても“接客販売”にある。
TVの画面またはラジオを通じて、商品の特長を懇切丁寧に教えてくれる。メディアの向こうにいる店員は、しつこく付きまとうこともないので、安心して耳を傾けていられる。
商品が自分に合わなければ、メディアのスイッチを切ればいいだけだ。
つまりは、お客にとって非常に都合のよい店員さんが存在するのである。
一方、製造業者にとってありがたいのは、商品の特長を詳細にわたって説明してくれることである。
この世の中には、接客して内容を説明しないと、違いが分からない商品というのは山ほどある。
たとえば、コメなどは、その典型だ。
売場に並んでいる商品を単純に見比べても分からないから、消費者は、「値段」か「品種」か「産地」で決めてしまうことが一般的だ。
しかしながら、コメのような成熟商品であっても、ジャパネットの“接客販売”は威力を発揮する。
廉価米との違いや製法の違いをしっかりと説明するから、味に違いがあるのだと言い、実際にナビゲーターが試食することでライブ感をもって訴求する。
だから、セルフサービスではなかなか動かない商品も爆発的に売れる。
製造業者にとって、このジャパネットの“接客販売”機能は、もっと活用方法があるかもしれない。
ジャパネットの主要仕入先一覧を見ると、その思いはさらに強くなる。
http://www.japanet.co.jp/shopping/jh/group/jt/companyprofile.html