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コメリ 北海道に100店舗!

 日本一の店舗数を有するホームセンター企業のコメリ(新潟県/捧雄一郎社長)は2015年3月期第2四半期の決算を発表した。

 連結の営業収益は1622億2100万円(対前期比1.2%減)、営業利益は100億3600万円(同13.8%減)、経常利益は97億4400万円(同13.5%減)、四半期純利益は60億2400万円(同9.2%減)の減収減益となった。

「既存店舗が対前期比4.4%減となったのが痛かった。客数が同3.8%減になってしまったのが主因だ」と悔しさを滲ませるのは捧社長。

 

 2014年4月の消費税増税の反動減に備えては、価格弾力性の大きな商品(=毎日使う商品)の売価を維持するとともに、粗利益率の高いプライベートブランド(PB)の売上構成比を上げるなどの諸策を打った。その結果、粗利益率は33.1%と前年実績を維持。PBの売上構成比率は39.8%と同2.9ポイント増となった。

 

 また、遡る2013年7月からは、コストカットにも乗り出し、「店は店にしかできない作業に特化」(捧社長)することで、既存店の総人時数を5.5%削減。販売管理費を5億8000万円カットした。

 

 下期に向けては、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)の価格政策を強化し、《安さ毎日》(通年)と《今月の得値》(月間)の2枚看板で低価格訴求に努める。

 

 

 2014年9月末現在、1157店舗(パワー31店舗、ホームセンター145店舗、ハード&グリーン966店舗、アテーナ15店舗)を展開する同社は、さらに拡大戦略を推し進める。
 重点エリアは、関東、九州、そして2014年9月に苫小牧市に同社10か所目の物流センター(運営は北星産業〈新潟県/捧雄一郎社長〉)を開設した北海道だ。

 

 上期の出店はメガホームセンターのパワーを2店舗、ホームセンターを1店舗、300坪をプロトタイプとする小型店のハード&グリーン5店舗の合計8店舗。下期はパワー6店舗、ホームセンター6店舗、ハード&グリーン15店舗、合計27店舗の出店を計画する。
「ホームセンターは、オーバーストアにあると言われるが、メガホームセンターのパワーの成長ぶりを見るにつけ、本当にそうなのか、と疑ってしまう。当社が展開するメガホームセンターの市場は真空だと思う」(捧社長)。

 

 新商勢圏となる北海道は農業産出額約1兆円と言われる。これまでコメリは秋田県のヤマキを買収した際に手に入れた2店舗を運営するにとどまっていたが、北海道流通センターの開設を機に国内“最後の未着手市場”の開拓が一挙に進むものと予測できる。

「100店舗の出店余地はある。酪農も含めた大規模な農家さんの需要に対応できる品揃えが必要。既存のドミナントエリアよりも大型店舗を多く出店していきたい」と捧社長は抱負を語っている。

 現在、同社の農業アドバイザーは92人。26県下の404店舗をカバーしているが、早晩、北海道に農業アドバイザーを配置するものとみられる。

 

 新規出店による拡大戦略で問題となるのは、円安や材料費・人件費高による建設費の高騰だ。しかし、「お客様の利便性を担保しながら、店舗の仕様を変更することで乗り切りたい」(捧社長)としている。

 さらに同社は、ホームファッション専門店のアテーナを11月に関東に開業。出店を再開すると発表した。

 

 これと同時平行で進めるのが既存店舗の改装だ。上期には56店舗に実施。年間100店舗のペースで既存店舗の活性化を図っていく。

「主要となる3つのフォーマットは、各カテゴリーの棚割りや品種や部門を変更することで、毎年プロトタイプを見直している。このモデルに合わせて既存店舗の改装を実施。店舗年齢は幼稚園児まで。すなわち平均店舗年齢5歳をキープしたい」(捧社長)。

 

 一方、ここにきて力を入れているのはFSP(フリクエント・ショッパーズ・プログラム)だ。その核となるのは、コメリカードで2014年9月末現在の会員数は91万人。年内に100万人突破をめざしている。

「2013年に上顧客優遇プログラムを九州市場で実験的に導入したところ成果を確認できた。そこで2014年4月から全店舗への導入を決めた」(捧社長)。
カードホルダーは買えば買うほど安くなるシステムになっており、例えばカード会員と非会員の客単価には以下のような格差が顕著にみられる(対前期比実績)。

 

 ●会員:4月94.8%、5月100.2%、6月101.3%、7月104.2%、8月102.4%、9月102.6%

 ●非会員:4月98.7%、5月100%、6月100.9%、7月99.9%、8月100.1%、9月99.1% 

 

 販促プロモーションもID‐POS分析を実施し、個客のカードデータをベースに強化を図っていく。

 

 さらには、オムニチャネル化対応にも乗り出している。

 ネット上で単品ベースすべての店舗在庫をリアルタイムで確認できるようにし、お客はスマートフォンでオーダー。従業員がピッキングをして、お客は店頭で精算、積み込むだけという

「取り置きサービス」をスタートさせた。取り置きサービスの客単価は4145円と従来の来店客の2.15倍になっている。

 

 こうした政策を実施することでコメリは、2015年3月期(連結)の営業収益3310億円(同1.4%減)、営業利益183億円(同9.6%減)、経常利益177億円(同9.8%減)、当期純利益95億5000万円(同9.7%減)と計画する。