もう5年も前のこと。ケータイやiモードに夢中になるがあまり、前を向かないで歩く人が増えているとこのBLOGで書いた。
http://diamond-rm.net/articles/-/3917
状況は、そこから改善されることはなく、むしろより悪化しているようだ。
スムースに進んでいない列の先には大体「歩きスマホ」の人がいるし、「歩きスマホ」をしながら、自分にずんずんと向かってくる人にも週に1回くらいは出くわす。
「歩きスマホ」をめぐる事故も多くなっている。東京消防庁管内における2010年~2013年の「歩きスマホ」による事故で救急搬送された人数は122人(うち店舗・遊戯施設内7人)。その数は年々、増加傾向にある。
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201403/mobile.html
そこで、「歩きスマホ」の根本的な原因について考えてみると、「ルール」と「教育」がないことに行き着いた。
それというのも、たとえば、文庫本、単行本、雑誌、新聞の類であれば、「歩き読み」することは危険であり、社会のルールに反すると人生の初期の段階で誰かが教えてくれた。
ところが、現在、ケータイやスマートフォンを使用しているほとんどの人たちは、大人になってから、“究極の文明の利器”をほぼ同時に手に入れている。
何かからシフトしたわけでもなく、ある日突然手に入れたわけだ。
極端な表現をするなら、“火”や“マッチ”を知らない人がいきなり一斉にライターを手にしたようなものである。
確固とした活用ルールがないままに老若男女に普及してしまったのだから、いろいろな使い方をする人が出てきて当然と言えなくはない。
最低限の禁止ルールである「車内会話」でさえ、もはやしっかりとは守られていない。
結局は、多くの犠牲を出した後で、「ケータイ運転」時のような反則金を課す制度を導入するようになるのだろうが、法的制御でしか、常識的行動を順守できないというのは情けないことだ。