1年ごとの売上や利益が投資家に問題視されるため、企業は短期的スタンスに立って、経営に当たらなければならない。
短期間で結果を出さなければクビになるので、CEO(最高経営責任者)や社長は、躍起になって最大利益を目指している。
ファンづくりや地域密着など、ビジネス展開に時間を要する小売企業にとっては厳しい時代といえよう。
だが、1年間のスパンで事業を点検することが難しいビジネスというのはあるはずだ。
たとえば、オリンピック関連をメシのタネにしている企業にとっては4年間がひとつのスパンだろうし、式年遷宮を生業にする企業なら20年を目安にしているということもあるだろう。
いずれにしても、数年間を馴らすと、一定の利益があがるというビジネスがあっても良い。
そんな中、我関せずとばかりに、短期・長期といったタームに振り回されることなく、我が道を突き進む企業がある。
アマゾン・ドット・コムだ。同社の何年スパンなのか分からないビジネスに多くの投資家が大量の資金をつぎ込んでいる
現在の時価総額は、約16兆円。世界最大の小売業、ウォルマートの約25兆円に次ぎ、小売業2位を堅持、その差は毎年詰まっている。赤字であっても、株価は上がり続けているのだ。
アマゾン・ドット・コムの例をみると、投資家が1年間の売上や利益だけを問題視しているというのは実は幻想であり、ビジネスモデルそのものをしっかりチェックしているのだとわかる。