4月12日、原信ナルスホールディングス(新潟県/原和彦社長)とフレッセイホールディングス(群馬県/植木威行社長)は経営統合すると発表した。原信ナルスホールディングスは、2013年10月1日付でアクシアル リテイリング(英文:Axial Retailing Inc.)に社名を変更する。
両社のトップは、以前から、M&A(合併・買収)には積極的な姿勢を見せていた。
今後、同じCGCグループ(東京都/堀内淳弘代表)であり、北海道からの南下政策を進めるアークス(北海道/横山清社長)グループとの連携にも注目したいところだ。
このように食品スーパー(SM)業界の合従連衡が次々と発表される中で、M&Aを前向きに考えている企業の経営者から異口同音に聞かれるのは、「これから先は、勝ち組企業としかタッグを組みたくない」ということだ。
理由は、「もはや救済型のM&Aを仕掛ける時ではない」ことにある。
救済型は、買収した企業を健常に戻すまでに資金、労力、時間を要し、それほど旨みはない。まして、従業員付きで面倒を見る場合は、2社の融和問題にも取り組まなければならない――。
そんな労苦を進んで背負い込む必然性が見当たらないのだという。
実際、原信ナルスホールディングスの連結売上高(2012年3月期)は、1266億8300万円(対前期比2.7%増)、当期純利益は17億5700万円(同30.4%増)、フレッセイホールディングス(2012年2月期:単純合算)は同623億5000万円(同3.6%増)、2億6600万円(同60.1%減)と売上、利益ともにしっかり確保している。
業界再編が加速する状況下で、「もっとも、きつい環境に立たされるのは売上高200億円~500億円くらいのSM企業」(O社社長)という見方もある。
「100億円未満の企業は、端物仕入れや家族的経営、ガンバリズムで競争を乗り切ることができる」(E社社長)。
けれども、「店舗規模がばらばらで、レイアウトもばらばら、市場の勢いに便乗する格好で成長してきた200億円~500億円の企業を率先してM&Aする企業はない」(同)というのだ。
しかも、そうした企業は後継者難にも苦しめられている。
さて、本日発売の『チェーンストアエイジ』誌2013年4月15日号でもテーマにしている通り、流通業界再編の中心に座するのは、売上高6兆円超のイオン(千葉県/岡田元也社長)グループだ。
「ストップイオン」。そして、各企業は生き残りを賭け、流通業界再編はさらに加速度を増し、流通相関図は塗り替わっていくものと見られる。