『チェーンストアエイジ』誌2012年9月1日号では、「アジアのイオン」という特集を組み、中国とマレーシアという新しい市場で奮闘するイオン(千葉県/岡田元也社長)の様子をレポートした。
その取材からわずか1カ月余り、尖閣諸島の日本国有化を機に発生したと言われる反日デモは過去最大規模に拡大。中国国民は、日本企業の店舗や事務所、日本製品を破壊し略奪行為を繰り返している。
取材でお世話になった企業や店舗が大きな被害に見舞われている。中国青島市のジャスコ黄島店や平和堂(滋賀県/夏原平和社長)は湖南省の既存3店舗が、暴徒化した市民によって店舗が破壊され、店内の商品を略奪された。
本当に悲しい事態だ。
お見舞いを申し上げるとともに、中国で働く、流通パーソンの安全と無事を願いたい。
中国政府は、同胞の働く場でもある日系企業をいくら攻撃しても状況は悪くなるばかりで、何の打開・解決策にもならないことに気づくべきだ。
中国政府と国民は冷静になり、事態を収束させる必要がある。
解せないのは、反日デモの本当の理由である。
愛国心? 日本への憎悪? 中国政府への反感?
推測できる要因は様々だが、本当の理由は、日本に流れるニュースをいくらみても聞いても分からない。中国国民の日本に対する国民感情もまったく分からないし、暴徒化している人たちの素情も分からない。
実際、こうした反日的な国民は中国国民の5%に満たず、良心派は破壊された店舗のガレキを片付けるためのデモを起こしている、という不思議な報道もある。
そう考えてみると、私にしても、中国のことを本気で理解しようとしてこなかった、という反省は残る。
中国へは、1987年に初めて訪れて以来、10回余り渡航しているけれども、歴史はもちろん、政治、経済、軍事、地理、言語、宗教、教育、食文化、文学、音楽、スポーツ…どの分野についても中途半端で漠然とした知識しかないことに愕然とさせられる。もっと理解に努めなければいけない。
そして、現状を見つめれば、中国で働く流通パーソンは今、何が何だか分からない、とんでもない状況に置かれているに違いない。本日9月18日は、満州事変の発端になった柳条湖事件から81年めに当たるということで、反日デモ対策で、多くの店舗が休業を余儀なくされている。
エールを送るとともに、こんな時だからこそ、米国スチューレオナルドの社訓を読み直しておきたいと思う。
【OUR POLICY(社訓)】
RULE1 THE CUSTOMER IS ALWAYS RIGHT !
ルール1:お客様は常に正しい。
RULE2
IF THE CUSTOMER IS EVER WRONG. REREAD RULE1.
ルール2:もし、お客様が間違っていたならば、もう一度、ルール1を読みなさい。