「日本の物価を2分の1にする」という目標を掲げて、チェーンストア創業者は遮二無二、突っ走ってきた。
その甲斐やデフレの影響もあって、いまや欧州や豪州などの先進各国と比較すれば、日本の物価は相当低いものになっている。
国内だけで生活していると実感しづらいところだが、原材料や穀物の価格は世界的な規模で高騰を続けている。
日本は、“円高弁”と“サプライヤー弁”という2つの調整弁が機能することで何とか物価高騰に抗っているのが現状だ。
70億人を超えるレベルでの地球人口増加、中国やインドなどBRICS諸国での中産階級増加を勘案すれば、日本は、これまでのようなコストでこれまでと同じような食生活を送ることができるとは想像できない。
物価は早晩上がるはず。
厳しいインフレに備えるべく企業の体制をシフトさせることが求められているのであり、安全な食料を安定調達できるようにすることが次の大きな経営課題のひとつになるものと考えられる。
(『チェーンストアエイジ』誌2012年6月1日号)