日本の流通市場は、数グループよって寡占されるような様相を呈してきた。
規模を拡大しなければと焦る各社は、合従連衡を進め、とくに零細・中小企業は、大手の傘下に入るか、淘汰されるような流れになっている。
元気がいいのは、イオン(千葉県/岡田元也社長)とセブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)の2大流通グループであり、それを数グループが追いかけるという展開になっていることは周知のとおりだ。
ただ、勝ち残った数グループも、少子高齢化や人口減少という市場縮小という厳しい現実を受け、日本市場での大きな成長に見切りをつけ、海外市場に本格進出し始めている。
では、こうした状況の中で、零細・中小企業に勝ち残るチャンスがないのだろうか?
いやいや、まったくそんなことはない。
零細・中小企業の視点から見れば、国内市場は縮小も飽和もしていないからだ。
売上高が小さく、企業規模が小さく、市場占有率が小さい、ということは日本国内で成長できる可能性がまだまだあることを意味している。
とくに2~3の都道府県で圧倒的なシェアを持っているリージョナルチェーンや地場にしっかり密着しているローカルチェーンにとっては日本国中がフロンティアだ。
言葉が通じる日本国内での成長機会が計り知れないほどあるわけだ。
そして、こんな逆転の発想で市場を見てみることも大事だろう。
零細・中小であることは、マイナスではなく、むしろプラス要因であると勇気が出るはずだ。