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心地よい違和感

 自宅から一番近い食品スーパーが西友(東京都/スティーブ・デイカスCEO〈最高経営責任者〉)であるため、もっとも高い頻度で利用している。

 とは言っても、自転車で3分ほどの距離に位置しているので、数品目以上の買い物をする時に利用するのが通常であり、西友で単品を1個だけ購入するということは、これまでに一度もなかった。

 

 そんな折、3月28日に新店としてオープンした西友つくば竹園店(茨城県)に取材に行き、祝儀袋を買い忘れていたことを思い出して、1つだけ買った。

 精算を済まし、購入の証であるテープの貼り付けを待っていると、店員さんは何の反応をすることもなく、次のお客のチェックをはじめた。

「あの、シールを…」と語りかけると、「シールはないんですよ。そのままお持ち帰りください」とのこと。

 

 そばにいた広報担当者に聞くと、ウォルマート傘下に入ったころから、ティッシュペーパーやトイレットペーパーに貼付するガムテープ大のシール以外は廃止したのだという。

 

 現在の西友のチェックアウトは非常に合理的だ。

 グレーのかごを持って買い物し、精算した商品はレジで黄色いかごに入れられる。それをサッキング台まで運び、自分で袋に詰めるという流れだ。

 

 精算時には、レシートも発行しているわけだから、チョコレート1つやドリンク1本を買った証としてテープを貼る必要がない、というのは、なるほど一理ある。

 

 精算後に、何も貼られていない祝儀袋を鞄に入れた時には、心地よい違和感に包まれ、何となく得した気分になった。