それは今週の月曜日のこと。出社すると会社のファックスが故障している。
Tさんから届いているはずの書類が送られてきていないことで気が付いた。
説明書に沿って、故障の疑惑が持たれる個所をひとつずつ確認していくと、ファックス機は、Tさんから送られてきたデータ自体は受信しているけれども、プリントがされていないというところまで何とか突き止めた。
「ということは、用紙が入っていないに違いない」とボックスを開けると、紙は満タンにある。用紙がどこかに詰まっているわけでもなかった。
「重篤な症状に違いない。こりゃお手上げだ」と決め込み、Tさんに連絡を入れ、普段は、使っていない別のファックス機の番号を伝え、送ってもらうことにした。
この間のロスタイム、実に30分――。
その後、「故障なら修理してもらわないといけない」と部員の1人が気を利かせ、メンテナンス会社に電話するといとも簡単に正常に戻った。
部員は「再起動してみてほしい」と指示を受け、実行したらもとにもどったという。
再起動とはスイッチを一回切ってから再度入れることだ。
その昔、テレビやラジオが故障した時には叩いて直したものだ。
ところが、いまの情報機器類は、高性能な分、デリケートにできているような感じがして、とても叩く勇気を持てないし、取扱いはやさしく、不明な点は自力で解決しようとはせず、ある段階で専門家に一任してしまう。
しかし、それは間違った思い込みであり、もっとシンプルな治療方法はある。勝手な決め付けで、思考を止めてしまうのはいけない、と考えさせられた次第である。