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格下の方が優位に立てる

 またまたテニスの話なのである。恐縮です。

 

 テニスの試合では格上のプレイヤーが必ずしも優位に立てるとは限らない。

 

 たとえば、スクールのクラス分けなどで対戦相手との格の違いがはっきりしているケースだ。

 格下の者は、胸を借りればいいのだから、まったくプレッシャーを感じずにガンガン試合を進めればいい。

 半面、格上の者は、「勝たなければ格好悪い」というプレッシャーを常に抱えながら試合に臨まなければいけないので平常心を失いやすい。

 テニスはメンタルに負うところが相当大きいから、そんな状況下で、大どんでん返しが頻繁に起こるわけだ。

 

 また、初対戦で相手の実力が分からないケースでも格下は有利だ。

 ダブルスのゲームの場合なら、コート内にいる4人のプレイヤーが1度ずつサービスゲームを終えるまで、つまり4ゲームめが終わるまで、相手のプレースタイルを見抜くことは難しいからだ。

 試合開始から4ゲームのうちは格下のペアが格上を煙に巻くことができるのである。

 もちろん、プロ対アマチュアのように、力の差が相当ある場合は、格下が勝つことは奇跡に近い。

 だが、草トーナメントで「1セット6ゲーム先取」といったルール下では、実力以上の自分をプレゼンテーションできる分、格下に付加パワーが備わることになる。

 

 といった精神的な駆け引きを踏まえて試合に挑むと私のような技術のない弱者でも試合に勝つことができるから面白い。