みのもんたさんが司会する『愛の貧乏脱出大作戦』(テレビ東京)というテレビ番組があった。
閑古鳥の鳴く店の店主にやり直す場を提供するという趣旨――。視聴率は結構、高かったので、覚えている方も少なくないかもしれない。
まず、依頼人の店主をラーメンなどの“達人”の店で修業をさせる。その“達人”が合格と認めてくれた場合は、テレビ局が店舗のリフォーム費用や広告費用を拠出して、再起までの道を整えるというものだ。
この番組には、毎回同じような流れがあった。
依頼者は、弟子入りして、悪戦苦闘の末、勝負の1品をつくる技術を習得して、ほとんどの場合、“達人”に認めてもらえる。
番組の経費で店をきれいにしてもらい、テレビで宣伝されることで、オープン初日は大賑わい。収拾がつかないほどの数の客が店に押し寄せる。
番組では、ここまでのドキュメントを1縲・回で放送して、「よかった、よかった」という感じにエンディングを迎える。
ところが半年から1年後に「あの店はどうなっているのか?」の特番でレポーターがその店を再訪すると、またまた逆戻りで閑古鳥が鳴いていることが多かった。
『愛の貧乏脱出大作戦』は、“達人”の技術を習得することは意外とカンタンであるが、実は、それを維持していくことの方が難しいという教訓を示唆してくれた。
私たちの日常生活、ビジネスライフでも同じことが言える。