青森県を本拠にホームセンターを展開するサンデー(宮下直行社長)の創業者、吉田昌平さんが10月12日、胸部大動脈瘤破裂のため死去した。88歳だった。
1922年生まれ。京都帝国大工学部卒業後、48年に家業の「吉田金物店」(現:吉田産業)に入社。65年に代表取締役社長に就任し、東北地方屈指の建設資材販売会社に育成した。
75年にサンデーを設立し、東北エリアに出店。現在、東北6県(青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県)に80店舗(フランチャイズを除く)を展開。2010年2月期(連結)の売上高は492億円に上る。
91年に取締役会長就任。03年から顧問に。その03年、イオン(千葉県/岡田元也社長)と業務・資本提携を結んでイオングループ入りを果たした。
吉田さんは、財界活動にも精を出し、82年には八戸商工会議所第10代会頭に就任し、以降4期12年間にわたって、八戸市の経済発展に尽力した。
サンデーの精神を象徴する言葉に「忠恕」がある。「忠」は内なる真心に背かないこと。「恕」は真心による他人への思いやり。「吉田さんは『忠恕』を地で行く巨人だった」と振り返るのは、サンデー前社長の和田正徳さんだ。
「8月にお会いした時には、お元気だったのに…」と突然の訃報に驚きを隠せない様子だった。
また、チェーンストア業界創成の功労者が1人去った――。合掌。