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流通業は備えなければならない

 東日本大震災後。余震が続き、福島第一原子力発電所の暴走に震える中でも、消費市場は動いている。

 

 「一時的な商品以外は依然デフレだ」と言い切るのはアークス(北海道)の横山清社長だ。北海道では、「原料高、製品安」で果てしない安売り合戦がまだまだ続く、と予想する。

 

 イオン(千葉県)は日本全土を①被災地、②非被災地、③計画停電・放射線問題を抱える地域に分類。岡田元也社長の下に10人の役員クラスを配置して、イオンマーケティング本部プロジェクトチームを立ち上げ、消費の変化に柔軟に対応する体制を整えた。

 

 カスミ(茨城県)は酷い風評被害に苦しむ生産地のど真ん中で商売を続けている。安全点検がしっかりできている商品でさえも説明しないと売れないのだという。石原俊明社長は「信念を持って売りたい」と力を込める。

 

 東日本大震災後、日本全土の消費マインドが確実に変わり、新しい消費トレンドが確実に生まれようとしている――。流通業は、備えなければいけない。

 

 (『チェーンストアエイジ』誌2011年5月1日号)