3月17日、カインズホーム日立店(茨城県)は、東日本大震災で被災以来、6日ぶりに店舗を仮営業した。
群馬県高崎市に本部を構え、全国にホームセンター175店舗を展開するカインズ(土屋裕雅社長)が今回の震災で営業停止を余儀なくされたのは15店舗に及んだ。
直接損傷を受けた店舗、損傷は受けていないが従業員の食事や飲料水、ガソリンなどの燃料を手当てできない店舗、福島原子力発電所から30㎞圏内に位置する店舗など、閉店の理由はさまざまだ。
日立店の再開業には、土屋社長も立ち会った。社内には、「仮営業に社長が直接赴くのはいかがなものか」と制止する声も上がったという。しかし「地域のライフラインを守る姿をこの目で見届ける」との信念からの再開業の場に臨んだ。
ホームセンターは、まさに“家庭の中心”にある日用雑貨品などの購入場所としてとくに地方では重宝されている。忽然と姿を消してしまうことは、即刻ライフラインの断絶を意味する。「それほど重要な業態なのだから一刻も早い復旧を」というのが土屋社長の思いだ。
前日の16日には、カインズホーム仙台富谷店(宮城県)の仮営業に漕ぎつけており、現在、営業停止中の店舗は13店舗に減った。今後、遮二無二、仮営業できそうな店舗から着手して整備を進める計画だ。
「地域のライフラインを守る」ことに執念を注ぐカインズは、震災後、すぐに、山形県天童市と栃木県益子市に宿泊施設を押さえ、そこに被災者となった従業員・家族を住まわせるとともに、復旧応援社員の拠点にして、以下13店舗の立て直しに日夜努めている。
誠に頭が下がるばかりであり、チェーンストアの存在意義を具体的に態度で示している。
そして、カインズのみならず、こうした復旧・復興への取り組みは、多くの業態と企業において、東日本の被災地各所で行われているはずだ。情報を入手次第、報告していきたい。
(現在営業停止中の店舗)4店舗〈4月9日現在〉
①カインズホーム高萩店(茨城県)→再開業
②カインズホーム北茨城店(茨城県)→再開業
③カインズホーム福島鎌田店(福島県)→仮営業
④カインズホーム大槻店(福島県)→再開業
⑤カインズホーム方木田店(福島県)→再開業
⑥カインズホーム相馬店(福島県)→再開業
⑦カインズホーム原町店(福島県)
⑧カインズホームいわき小名浜店(福島県)→仮営業
⑨カインズホーム郡山富田店(福島県)→仮営業
⑩カインズホーム白河モール店(福島県)→仮営業
⑪カインズホーム亘理店(宮城県)→再開業
⑫カインズホーム古川店(宮城県)
⑬カインズホーム仙台港店(宮城県)→4月10日仮営業予定