株式上場企業の経営者にとって決算説明会は、辛い場になることが多い。
業績がよければ長期ビジョンについて突っ込まれ、悪ければその原因を重箱の隅をつつくように詰問される。いずれにしても、株主総会同様、楽しくはないものだろう。
ところが、ハウス食品(東京都)の浦上博史社長は、そんなIR(インベスターリレーション:投資家向けの広報)活動について、「人間ドック」にたとえて、歓迎の意を示している。
「レントゲンを撮るのは面倒くさいし、バリウムを飲むのはつらい、血液まで取られてしまう。でも、そんな場所に年に2回は出て行くから、本当の意味で会社の健康状態をチェックすることができます。それは、社員にも株主にとってもメリットなのだからとても意味のあることです」。
ハウス食品の2011年3月期第2四半期上期(連結)は、猛暑の影響を受け、収益ドライバー(香辛・調味加工食品)である煮込みメニューが敬遠され、厳しい内容、減収減益を喫した。
下期は巻き返しを図るとともに、成長ドライバー(健康食品・ダイレクト・海外)にもさらに力を注いでいる模様だ。通期の見込みは、減収・営業経常減益だが、当期純利益は増益と発表している。
すでに浦上社長は、長期ビジョンについての想定質問を考えているのではないだろうか?