東日本大震災後の状況を受けて実感したのは、チェーンストアは、需要が供給を上回る時には物凄いパワーを発揮するシステムであるということだ。
供給が少ない時に商品をまんべんなく配布するには、非常に強いことが実践として証明された。政府や行政任せにしていたらばライフラインの確保は、しばらくは果たせなかったことだろう。
過信は禁物だが、もはやチェーンストアは、一般家庭との間に強固なライフライン、パイプラインをしっかりと構築していると自負を持っていい。
ただ、この20年間を振り返ると、供給過多の状態が続き、オーバーストアにも拍車がかかっており、チェーンストアの強みをうまく活用できていなかった企業が多かった。
ということは、ここにチェーンストアの次期成長のヒントがあるような気がする。
カギになるのは、需要が供給を上回る状況をつくることである。
それは、もちろん、既存製品の生産を調整するということではない。
オンリーワンの商材を開発する、同質競争をしない、新しいカテゴリーの創造など、対策は案外たくさん思いつくことだろう。
後付け的に解説するならば、こうした対策を実践してきた企業は好調をキープしていた。要するに何を売るのかが重要ということになる。
『チェーンストアエイジ』誌のテーマである「マーケティングとイノベーション」を介在させることで、ぜひ次期成長に備えてみたい。