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世界モノの貿易、コロナ禍から回復加速 一部地域に遅れ=WTO

WTOのロゴ
世界貿易機関(WTO)は28日、世界のモノの貿易は新型コロナウイルスに伴う1年前の大幅な落ち込みからの回復が加速しているが、ワクチン接種の展開が一様ではないため、一部の地域では回復が遅れているという認識を示した。写真はWTOのロゴ。4月1日撮影(2021年 ロイター/Denis Balibouse)

[ジュネーブ 28日 ロイター] – 世界貿易機関(WTO)は28日、世界のモノの貿易は新型コロナウイルスに伴う1年前の大幅な落ち込みからの回復が加速しているが、ワクチン接種の展開が一様ではないため、一部の地域では回復が遅れているという認識を示した。

発表によると、5月のモノの貿易指標は109.7と今年2月の103.9から上昇し、基準値の100を大きく上回った。世界のモノの貿易量が15.5%減少した2020年第2・四半期は88.1だった。

WTOは「5月は指標の全ての構成指数がトレンドを上回って上昇した。広範な回復を強調するとともに、貿易拡大のペース加速を示している」と指摘。今回の指標はモノの貿易量が2020年に5.3%減少した後、今年は8%増加するとの予想にほぼ一致しているとした一方、「貿易に関連する比較的良好な短期見通しは、地域格差、持続的に低調なサービズ貿易、貧困国を中心とするワクチン接種の遅れによって損なわれている」とし、回復にはばらつきがあるとした。

内訳は、輸出受注、航空貨物、電子部品が最も増加した。自動車関連製品や建設用木材などの原材料も好調で、消費者心理の改善を反映した可能性がある。

また、パンデミック(世界的大流行)の影響を受けにくいコンテナ輸送も堅調だった。

WTOのモノの貿易指標は複数のデータを組み合わせたもので、世界の貿易の転換点を予測し、勢いを測ることを目的としている。