[東京 9日 ロイター] – 厚生労働省が9日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、2020年12月の実質賃金は前年比1.9%減と10カ月連続で低下した。新型コロナウイルス感染拡大による企業業績悪化を背景に、ボーナスなど特別に支払われた給与が前年比5.4%減となったほか、残業が減ったことで所定外給与が8.9%減少したのが響いた。
2020年通年の実質賃金、現金給与総額はともに2年連続のマイナスとなった。
12月は、名目賃金に当たる現金給与総額は前年比3.2%減の54万6607円で、9カ月連続で減少した。
基本給にあたる所定内給与は前年比0.1%減の24万5437円と2カ月連続でマイナスだった。
ボーナスなど特別に支払われた給与は同5.4%減の28万3086円だった。パート労働者では同23.4%増と2桁増だったが、一般労働者が同6.0%減。業種別では運輸・郵便、飲食サービス、生活関連サービスなどの落ち込みが大きかった。
コロナ禍による企業業績低迷で所定外労働時間が前年比7.6%減と大幅に短縮、残業代など所定外給与も同8.9%減の1万8084円だった。
2020年通年では、現金給与総額は前年比1.2%減の31万8299円だった。所定内給与は同0.2%増と増えたものの、所定外給与が同12.1%減と大きく減少した。 実質賃金は同1.2%減だった。