売上を減らそう。(ライツ社発行)
著者:中村朱美(佰食屋)
タイトルに目を引かれ、思わず本書を手にしたビジネスパーソンも多いのではないか。
著者は2019年日経WOMAN「ウーマンオブザイヤー2019」大賞に輝いた時代の先端をいく気鋭のカリスマ社長…ではなく、京都に小さな定食屋を構える、どこにでもいそうな主婦…のような経営者である。
本書を読了しての筆者の感想は「今の時代にあっている」。
「売上目標」からモノゴトを逆算するのではなく、「どうしたら社員が幸せに働けるのか?」ここからの逆算である。本書で気づかされるのは、決して計画的かつ順風満帆に成長してきたわけではなく、さまざまな問題にぶつかりながらも、常に「スタッフの幸せ」を追求してきた結果、出来上がった形であるということ。
その結果の「限定100食」であり、「フードロス0」であり、「残業時間0」である。
もちろん、ビジネスで売り上げの最大化は至上命題であるかもしれない。しかし、その結果多くの「無理」「無駄」が生まれていることも事実である。
本書の中で著者が示す客観的な「気づき」は、どんな分野であれ自身の仕事、または組織に置き換えたときにさまざまなヒントが見つかる。「そもそも就業時間内に利益を出せない商品とか企画ってダメじゃないですか?」
強烈な「気づき」であり、「指摘」である。